腹式呼吸の原理は肺に息が入り、横隔膜が下がるということです。お腹が膨らむように息を吸うことが腹式呼吸ではないということです。お腹を上下で分けるならば、横隔膜が下がったときにその下にある胃が動きます。その際お腹の上部が前に出たり動いてくることはあります。下腹部が動くことはありません。
横隔膜は下の方の肋骨とつながり背中の筋肉とも連携しています。そして肺に息が入り肋骨が開いたときに、横隔膜は下にさがります。これが腹式呼吸です。この腹式呼吸という言葉が誤解を読んでいるのかもしれません。
現在では、YouTubeなどで横隔膜と肋骨の動きの関連を、3D動画などで具体的に見られます。下っ腹が膨らむようにブレスをすると胸郭は広がりません。結果的に横隔膜は下がらず、効果としてはあまり期待できないです。
胸郭を広げるために、吸気のトレーニングが必要です。吸気で広げられるようになったら、次は腹斜筋を上または背中の方へ引き上げるような動きを行います。これが連動してくると横隔膜で息を支える準備ができます。
そこから発声を考える際は、さらに喉や顎の位置などを考えるのです。まずは吸気の際に胸郭が広がることを考えてみましょう。横隔膜は自分の意志では動かすことのできない不随意筋です。自分で横隔膜をコントロールしようとしても力みを生みます。横隔膜のコントロールは呼吸や胸郭、腹斜筋のバランスで行うことなのです。
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