A.発声法を学ぶことにおいて、いまだにいつも勉強していかなければならない、意識しないといけないのは、呼吸時の身体の使い方です。私が仕事をするようになっても常に付きまとうのは呼吸のコントロールです。
年齢を経てくると身体能力も目に見えて衰えはじめ、体調が思わしくない、精神的に不安定なときなど、若さと気力だけでパワーのままに歌うということがとても困難になってきました。声帯が思うように共鳴しなかったり、歌っているとすぐに喉が上がってしまったり、体がバテてしまったりします。そうなっているときは、たいてい息が浅く体の重心が上のほうになっています。息を自然に吐いて歌い、歌う前にいかに自然と息が深く入るかが最重要ポイントなのです。
ウォーミングアップの段階で、すぐに体が柔軟に反応しない時は足の裏部分をストレッチします。手っ取り早いのは息をはきながらの前屈をゆっくり行うと、腰から背中の部分がほぐれやすくなり横隔膜が動きやすくなるように思います。そして、肩甲骨周りを肩まわり、首まわりと身体の下から上に順にほぐします。
その後、息を10回くらい一気に吐いて体に負荷をかけながら起こしていきます。その後、自分の好きな母音から発声します。口腔内を開けるように息を吸うイメージを常に持って鼻からと口からと同時に息を吸いましょう。([E:#x266F]Δ)