発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q. 肺活量を鍛えるには、どうすればよいのですか?

A.肺活量を鍛えるといっても、鍛えたからといってそんなに肺活量が増えるということはありません。その人が持っている肺活量は肺の大きさでもともと決まっているそうです。もちろん、運動量を増やしたり、何回かやり直してコツをつかめば多少増えるとは思いますが、そもそも量を鍛えるというのはおかしいし、呼吸量か肺の量か呼気スピードか、どれでも発声と歌唱と直接は関係しません。しかし、イメージ言語として捉えて、トレーナーのアドバイスを書き出しました。呼吸を鍛えるということで参考にしてください。

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A.ジョギングなどに代表される有酸素運動や、サーキットトレーニングなどが、よいのだろうと思います。サーキットトレーニングの簡単な方法は、腕立て伏せや腹筋運動・踏み台昇降など、なるべく大きな筋肉を使う3~6種類の運動を組み合わせて、軽めの負荷で休みを入れずに連続して実施し、短い休憩(30秒~1分程度)をとったら、また同じ運動の順番で、何度か繰り返します。たとえばこんな具合です。腕立て伏せを10回、休みを入れずに腹筋運動を15回、すぐに続けて踏み台昇降を20回、またすぐに反復横とびを10回。ここで初めて30秒の休憩。そしてまた腕立て伏せ10回から、同じメニュを繰り返し、反復横とび10回が終わったら、同じように30秒休憩を入れます。そしてまた腕立て伏せから、、、このように、短い休憩を挟んで、数回同じメニュを繰り返します。1回通すだけなら、息もあまり弾まない程度の負荷で、3回目からはかなり息が弾むような負荷に調整するのがよいようです。このトレーニングで、かなり心肺機能は高められますが、効果が大きいだけに、非常にきつい運動法です。
ただ、歌うことなど、声を使うのに有効な肺活量ということに限れば、呼吸練習をしっかりがんばるだけでも、よいのではないかと思います。(♭Ξ)

A.空のペットボトルを吸ったり吐いたりすることで肺活量を鍛えるというのは有名です。昔からマラソン選手や持久力を必要とするスポーツでは酸素が薄い山や高地で持久力や肺活量を鍛えるといったトレーニングを行いますし最近ではあえて息を吸いにくいマスクなどを着用してトレーニングするスポーツ選手もいます。
見ていると基本的には呼吸しづらい状態でのトレーニングというのが効果的なのかもしれません。(♭Σ)

A.マラソンなどの運動をするといいと思います。歌の練習をしているだけでも肺活量は増えるかもしれません。自分が好きな曲を全身を使って表現して歌うことは身体に良い影響を与え肺活量も鍛えられます。あとは、目標物を作ってそこに向かって息を思い切りふきかけることも効果が期待できます。あるいは、息を使う楽器にトライするのもいいかもしれません。特に、フルートは歌とかなり奏法が似ています。腹式呼吸の練習も肺活量にいい効果があるのではないでしょうか。(♯Ω)

A.よく例えに出るのが、水泳やマラソンなどを聞きますよね。水泳は私もやっていましたが、たしかに息を吐きながら泳ぎ、決まったタイミングで息を吸うことによって、呼吸が深く吸えるようになり、一回の呼吸でたくさんの息が入るようになったと思います。お奨めな気がします。
それ以外でしたら、楽器屋さんに行くと、管楽器を演奏する人のための練習器具ですが、息を深く吸える様にするために開発された商品がいくつかあります。特に、腹式呼吸を自覚させるような練習器具がありますよ。たとえば、透明な筒の中にピンポン玉が入っていて、そこに透明な管がついています。その管から、ピンポン玉が入っている筒の中に息を吹き込みます。そうするとピンポン玉が筒の中で浮きます。その浮いた状態を保つように、息を吸ったり吐いたりします。少ない息を入れてもピンポン玉は浮き上がらないし、浮き上がるような息を吹き込んでも、同じくらいの吸い込みで息を吸わないと、中で浮いているピンポン玉は筒の中で下に落ちてしまいます。ピンポン玉を中に浮かせた状態に保つことで、呼吸が深くなっていきます。そのうえ、細い管から息を吐いたり吸ったりすることである程度の抵抗がかかりますので、より呼吸を深くすることができる優れものです。歌を勉強する人も使ってみてはいかがでしょう。
それから、単純に肺活量を鍛える為に、ゴムの袋で風船を膨らますみたいな練習器具もあります。これは、金管楽器の大きな楽器を練習する人のためのもので、肺活量によってリッターが違うゴム風船みたいなものがあり、膨らまして息を一気に吹き込む練習になります。こちらも、試してみてはいかがでしょう。(♯Δ)

A.肺活量を鍛えるという目的でトレーニングをしたことがないので、あくまで経験上での考察ですが、呼吸の練習や横隔膜を鍛えるトレーニングが結果として肺活量をも鍛えることになるのではないかと考えられます。肺活量の検査で勢いよく息を吐くことを行いますが、吐く前にまずはしっかりと肺に息を吸わなければ始まりません。「吸う•吐く」という「呼吸」が一連の動作としてしっかり行えることが必要です。そして、さらに横隔膜を鍛えることで横隔膜が下がりやすくなるので、吸う息が増える=吐く息も増える、と考えられます。(♯α)

A.潜水がいいと秋川雅史さんに聞いたことがあります。しかし私自身が肺活量を増やすためのトレーニングをしたことがないので、なんともいえません。私の場合、肺活量よりもブレスをとるポジションや呼気の際の腹背筋の支え方、共鳴の集め方、摩擦に無駄のない子音発声などに気をかけることによって呼気の持続に注意します。(♭Д)

A.一般的には肺活量を鍛えるのに効果的なこととして、マラソンや水泳などの有酸素運動が良いと言われています。
また、ペットボトルや風船を思い切り吹く方法も聞いたことがありますが、実際やったことがないのでわかりません。
発声するということはスポーツと同じです。十分なストレッチと、無理のない呼吸が必要です。ですから、先にも述べたように、有酸素運動をして肺が十分に働くようにし、歌うための筋力をつけることが必要です。
私のレッスンで取り入れている呼吸法、「4つで吐いて、4つで吸って、次の4つはそのまま肋骨を外側にする意識で止まっている」を繰り返しすることで、筋肉が強化されますから、実践することをお勧めします。
また別のアプローチとしては、マッサージや整体などで筋肉を緩めてもらい、常に正しい姿勢を保つことです。骨格がゆがんでいたり、筋肉が凝り固まっていると通常よりも息が浅くなり、呼吸が困難になります。正しい姿勢で正しい呼吸をし、肋骨が広がっていくよう筋肉を作っていくこと必要でしょうで、肺活量は徐々に鍛えられていくでしょう。(♯Å)

A.肺活量を鍛えるにはしっかりした呼吸をすることです。呼吸は人間はもちろん生命のあるもの全てが行っているものであり、何も考えずともみな自然に呼吸はしていますよね。ただうまくできる人とそうではない方がいるのもまた事実です。上手にできている人でも、緊張やストレス、体調などにより、うまく呼吸ができなくなってしまうケースもあるのですが、それはまた別の機会にします。
しっかりした呼吸をして肺活量を鍛えるにはゆっくり深く息を吸い、息を吐く時はさらに時間をかけて少しずつゆっくり吐く練習が効果的です。これは案外難しいようで、自分で心がけているつもりでも、無意識に息が漏れているということが良くあります。これを防ぐにはペットボトルを使ってトレーニングする方法が良いと思います。空のペットボトル(柔らかい素材で1.5ℓもしくは2ℓ程度)を口にくわえ、ペシャンコにするつもりで空気を吸い込み、また吐く、という動作を繰り返します。ここで注意していただきたいのは自分に無理のないレベルでやることです。気分が悪くなったりしたら直ちに止めて体を休めてください。(♯μ)

A.ブレスの練習を行うのが良いのではないでしょうか。吸ったり吐いたりという動作に何らかの邪魔な力が働くと、本来吸えるべき量を充分に満たすことができなくなります。「腹式呼吸がいいのだから、お腹が膨らむように吸わばければならない」などという情報に惑わされると、力みの元になり、却って吸えなくなります。「お腹に吸わなきゃいけない」という都市伝説は置いておきましょう。それよりも、普段の呼吸をできるだけリラックスした状態で行いましょう。ただ、吸ったり吐いたりを繰り返すだけです。吸う量もいきなり目いっぱい吸うのではなく、穏やかに、あくまでもくつろいでいる状態の呼吸を心がけましょう。そのときに、吸ってから吐くまでの間に息が止まったりしないことを心がけましょう。この状態に慣れたら、少しずつ吸う量と吐く量をどちらも増やしていきましょう。このときも、焦って吸って、吐くまでの間に息が止まることのないように、吸ったり吐いたりが止まらないように心がけましょう。このような練習を繰り返していき、その後、4つずつカウントして、最初の4カウントで吸って間髪いれずに次の4カウントで吐く、また同じように吸って吐いてを繰り返すという練習を行って、徐々にカウント数を増やしていくとよいでしょう。ただし、限界ぎりぎりまでではなく吐くのも吸うのも1~2割くらい余裕があったほうが良いと思います。限界までやりすぎてしまうと、力みになってしまうので注意が必要です。(♭Я)

A.たまたまとある病院で開催されている「呼吸器の体操」のセミナーに行ってきました。最初に肺活量を計測します。自分のできる限界の強さで息を吐き、息がなくなるまで吐き続けるという計測でした。「努力性肺活量」というものらしく、成人男性の平均は3500ml、女性は2300mlとのことです。もちろん、年齢によって異なりますが。
理学療法士さんが、肺活量を鍛えるトレーニングを教えてくれましたのでいくつか紹介します。一番効率の良い呼吸が、横隔膜だけで呼吸をする方法なのだそうです。呼吸筋、横隔膜を鍛えることが重要とのことでした。まず、肩、首、胸はリラックスさせます。この部分を使ってしまうと、無駄なエネルギーを使うことになります。まず、呼吸の準備です。肩をすぼめてストンと降ろす。首を左右に倒してリラックスさせます。両手の先を肩につけてひじを大きく回します。
肩首胸がリラックスした状態をつくってから、ゆっくり鼻から吸い込んで、口を少しすぼめてゆっくり時間をかけて吐き出します。この時少し前かがみになるようにしましょう。腰を沿ってしまうと、無駄な力が入ってしまいます。これを何度も繰り返して、横隔膜をしっかり下げて息を吸い込み、少しずつ呼気量を増やしていくとよいそうです。(♯β)