A. 自主練習を行うのは上達する上では必要なことですので、その意気込みは素晴らしいです。ただし、忘れてはいけないことがあります。それは、歌い手にとっては身体が楽器であるということです。私たちはピアノや弦楽器のような物体ではなく、生身の人間なのです。弦が切れたら張り替えるというわけにはいかず、喉が疲労しても取り換えはできませんよね。そして楽器であるあなたの「身体の状態」によって、自主練習の質や効率も左右されるのです。
例えば、身体の疲れを感じているときは、元気なときよりも声が出しにくいと感じませんか。そうすると、よい状態のときよりも喉への負担が増えてしまうのです。いつでも身体に鞭打って練習するのがいいのではありません。ちゃんと身体を休ませ整えることも必要です。喉だけを鍛えることはできませんので、今後は歌うための身体を作るのだという認識に切り替えましょう。