発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.医学的、生理学的な理解の上でトレーニングをした方がよいのでしょうか。☆

A. 私たち自身が持ってるイメージは、かなり実際の身体とは違っている場合が多いです。舌の大きさ、横隔膜の位置なども、正しく捉えている人は、ほとんどいません。

そこで、最近は、解剖図などを使って、細かく教えるひともいるようです。

私も、そうした知識を最小限、本に載せるようにしています。イメージがあまりに間違っているからです。

しかし、本当に使えるのは、自分なりにせりふや歌唱のためにとらえたイメージです。これは実際の身体やその機能と異なっているものです。

トレーナーの指導でも、「お腹から声を出してください」と使われて、生徒が、「お腹から声などは出ません」と、正しい知識で反論したらレッスンは成り立ちません。そういうことです。

つまり、正確な人体模型のような捉え方では、うまく働かないことが多いからです。

ですからあまり正確さにとらわれるようなことをやめたほうがいいです。知らないよりは知っていた方がよいが、知っていてうまく使えないよりは、知らないか、知った上で忘れたほうがいい。どちらにしろ、うまく使えるようなイメージの方が必要です。