発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.朗読のときに、ポジションが低いので上げるように言われます。ポジションを上げる感覚がいまいちわかりません。

A. 朗読する目的としては、自分以外の誰かに聞いてもらうことです。もし部屋で一人、新聞や雑誌を読むだけなら黙読すればいいですし、仮に音読したとしても聞かせる相手がいないので声の大きさや聞きやすさは問いません。ですが朗読するとなれば、聞いてもらう対象者を意識することは大前提としてあります。そうすると、至近距離の人にしか聞こえないような声では困りますし、ただ文字を追って読んでいるだけでは朗読の内容は相手に届きません。

ポジションが低いと言われるのは、テンションが低い声、日常の感覚の声だからではないかと推察します。実は、私たちは普段の生活でもポジションを使いわけています。例えば、横断歩道の向こう側にいる人に声をかけるとき、しぜんとその人なりに声のポジションが普段の話し声よりも上がります。その方がしっかりした声が出しやすいからです。しばらくの間はポジションと思わずに、少し離れた場所にいる人に呼びかけるという感覚で、始めのうちは短めのフレーズから練習してみることをお勧めします。