A. 朗読する目的としては、自分以外の誰かに聞いてもらうことです。もし部屋で一人、新聞や雑誌を読むだけなら黙読すればいいですし、仮に音読したとしても聞かせる相手がいないので声の大きさや聞きやすさは問いません。ですが朗読するとなれば、聞いてもらう対象者を意識することは大前提としてあります。そうすると、至近距離の人にしか聞こえないような声では困りますし、ただ文字を追って読んでいるだけでは朗読の内容は相手に届きません。
ポジションが低いと言われるのは、テンションが低い声、日常の感覚の声だからではないかと推察します。実は、私たちは普段の生活でもポジションを使いわけています。例えば、横断歩道の向こう側にいる人に声をかけるとき、しぜんとその人なりに声のポジションが普段の話し声よりも上がります。その方がしっかりした声が出しやすいからです。しばらくの間はポジションと思わずに、少し離れた場所にいる人に呼びかけるという感覚で、始めのうちは短めのフレーズから練習してみることをお勧めします。