A.こういう考えは逆なのです。感情があって何かを表現したいから歌うのであって、声に感情が入らないというならやめればよいのです。そういう人は歌う必要がないと私は思います。当人の問題意識にかかっています。感情が声を導くのです。
歌うとき歌詞の背景を思いながら歌うわけでもありません。自分がどうしたいのか、というだけです。わざとらしく、風景を思い浮かべてやってみてもダメです。感情を入れても、歌はダメになります。歌は、音声の中である一定のイマジネーションに働きかけなければいけないのです。そういう音色や動きを出さなければいけないのです。