A.当人がもともと高いところを持って生まれて、そこで楽に相手に優しく語りかけるようにして、歌える人が歌う分には構いません。しかし、みんな自分にないものを求めます。
自分が苦手なものは克服した方がいいのですが、大した武器にはなりません。自分がもっとも繊細に扱えるところの声をしっかりさせて、周りに認めさせていくことです。そうでないところで無茶をしていたら、喉を壊しかねません。できたとしても、もっとできる人がいます。
声域や声量も、3オクターブどころか、5、6オクターブにしてくれるという人もいます。歌は1オクターブ半しかないのに、何を目指していくのでしょうか。それでもっと大切なものを犠牲にしてしまいます。声の状態も悪くなってしまいます。つまり、そういうのは一見、高い目的のようにみえて、雑になっていくだけなのです。