発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3342.響きをつくるなとおっしゃるのはなぜですか。

A.声の響きとは、決して作り出すものではなく、正確なメソッドにのっとった時に自然に響きものであると思います。響かせようとしている、意識していること自体が、自然な発声の邪魔をしている人はたくさんいます。そのような声は大体、録音した自分の声を聴くと「作られたような、作為的な」感じがすると思います。決して美しいと感じるものではないと思います。さらに言うと、音楽表現が限定された表現しかできなくなってしまいます。固い声は、柔軟性が無いために、せいぜい怒りの表現くらいしか表現できなくなると思います。もっというと、響きを作ろうとする習慣がつくと、喉の筋肉が柔軟性を失い、発声がつねに喉に詰まったような感じになり、出なくなってしまう危険性もあります。このような点を考えると、立派に響き声を作り上げようと思わずに、自然な声を身につけようとすることの方が、結果として偉大な声を獲得できるということだと思います。(♭∀)