A.「マスケラ」とは、イタリア語で、「仮面」のことですが、ここで安易に普通の「お面(めん)」と混同してしまうと、少し話が違ってきます。「お面」は、ほとんどの場合、お祭りの屋台などで売られているように、顔全体を覆うものですが、「マスケラ」は仮面舞踏会などでよく使われる、目を中心に鼻の上部やおでこを覆うもので、顔の上半分を覆うものです。
つまり、目を中心とした顔の上半分に、「声を響かせて」とか、「声を集めて」あるいは「声を出して」などといった使い方で、「マスケラ」は声楽のレッスンの中で使われる言葉です。特に、イタリア人好みの、輝かしいテノールの声を出すためには、必須のテクニックというイメージがあります。
声がこもり気味の場合や、前に出ていない場合には、とても役に立つメソードで、しっかりと取り組む価値は十分にありますが、これだけに固執してしまうと、音程が悪くなったり、声が浅くなり過ぎたりすることもあるので、他のメソードとも併用して、うまく活用することが大切でしょう。(♭Ξ)
A.副鼻腔など、目の周辺には大きく分けて4つの穴があります。その空間を使って共鳴させて歌う技術を使うときに使われることばです。私自身は30歳くらいまではテクニックとして一番重要視していたのはマスケラを意識して声出すことです。
メトロポリタン歌劇場やパリオペラ座などで活躍していたテノール歌手は世界的な歌手の声の条件は「マスケラとジラーレ」
と言っていました。
しかし、マスケラを意識しすぎると喉があがりやすくなり薄い声になりがちです。浅い声になるのでかえって響かなかったり高音が出しづらく、聞き手にも苦しそうに聞こえます。重要なのは自分でマスケラを狙うのではなく勝手に声がマスケラに響くようになることだと思います。(♭Σ)
A.学生のときにレッスンで折に触れて耳にしたマスケラ(イタリア語で「仮面」の意味)は、発声用語のように使われていることがあります。仮面という意味からも、顔の部分どこか一点、一か所ではなく、どこか一面を指します。ヴェネチアンマスクでアイマスクのタイプ(顔の上半分、目元を覆うタイプ)を思う浮かべてみると分かりやすいでしょう。
イタリアや近隣国にいた頃、もっとマスケラ!とアイマスク部分から声が出てくるイメージを手のしぐさで表わす人や、マスケラに声を載せて!とか、やっとマスケラに声が乗り上げたね、といった表現の指導を受けた覚えがあります。観察してみると、その顔は集中していて不要な瞬きはなく必要最小限のようです。マスケラから声が出ているという感覚、またそこに意識を向けて歌唱している、ということです。
ただし、マスケラに響かせる、といった表現で教えを受けたことはなく、個人的にもそれでは違う方向になってしまう(鼻声になってしまうなど)と認識しています。(♯α)
A.マスケラは、人間の骨の中で一番大きい骨でもある頭蓋骨を鼻腔あたりから意識して声を共鳴させるテクニックの一つです。一番大きい骨である顔や頭蓋骨を響かせる為には、鼻の周りと頬骨のあたりに声を響かせるイメージで、具体的には頬骨と目の周りに自分の口があり、そこから声が出るぐらいの感覚で声の響きを集めて下さい。
練習方法としては、ハミングの練習(ハミングが苦手であれば、少し口を開いて声を鼻に響かせるでもよいです。)ハミングを最大限に生かしやすいM行やN行を子音に使って、鼻腔を必ず意識しながらの発声練習もおすすめです。ただ、響きを前にイメージしすぎると、顔の前ばかり当てて、声帯を絞めて歌いやすくなるときがありますので、息を送り出すときは後頭部から息を回して前方に送り出すようなイメージを持つことも大切なのかなと思います。そして、肩から上、首のあたりの力を抜いて、軟口蓋をしっかり上げて歌う意識もしっかり持ってください。そのとき、頬骨の一番高いところを保つために、少し微笑んだ状態で発声するとよいと思います。
(♯Δ)
A.マスケラとはイタリア語で「仮面」を意味し、英語なら「マスク」のことを言います。顔の表面、鼻の裏あたりに声をあてて歌う歌い方です。ここで間違えてはいけないのが、「鼻腔」ではなく、「副鼻腔」共鳴するということです。「鼻腔」共鳴だと、ただの鼻声になってしまい、声が閉じたようになってしまいます。「マスケラ」はクラシックの声楽を学ぶと聞く言葉ですが、ポップスではあまり聞きなれない言葉でしょう。
私の感覚としては、口の中を大きく開き、発声したときに呼吸が頭蓋骨から顔面に向かって流れてくるような感覚です。そして顔の表面がビンビン鳴る感じというのでしょうか、共鳴しているという感じです。
マスケラで歌うということは、その前に正しい深い呼吸(腹式呼吸)ができていないといけませんし、喉や胸の周りの開放、高音発声時の支えなどがわかっていないとできませんので、初心者の方にはあまりお勧めできませんし、クラシック以外の音楽を目指している方にはあまり縁のない唱法だと思います。(♯Å)
A.イタリア語で「仮面」を意味する言葉で、声楽的な発声用語としては「響きの位置」を意味します。響きに関しては、自分も過去には「狙ったり集めたりするもの」と教わったことがありましたが、最近、新たなメソッドで教わっていく中で感じることとしては、「狙い過ぎない。集めすぎない。」ということの方がどうやら大事なようです。自ら狙ったり集めたりという方向に持って行ってしまうと、本来のマスケラの位置に到達せず、鼻声になったり響きが下がったりという現象が起こります。
マスケラの位置で響く声というのは、あくまでも自然なところを通ってきた声が結果的におでこの先の方で響く感覚のある声だと思います。キンキンとした甲高い声ではなく、ゆとりのある倍音に満ちあふれたキラキラとした声で響く部分。イタリア・オペラを歌う名テノールによくある声だと思います。
できたら録音ではなく、生で実際に聴いてみるといいと思います。耳がキンキンせず、煌びやかな音色として響く部分。発声を磨いていった結果、結果としてその位置に到達する部分というのが、真のマスケラのポイントだと思います。(♭Я)
A.マスケラとはmaschera、つまりイタリア語で仮面の意味です。ここで、出てくるということは、発声に必要なワードとして出てきたのだと思います。
声は、訓練しないと日本人は特に口の中でこもったような発声になりかねません。喉のあたりでもごもごしてしまったり、張のない声でしたら、聞いている人はとても聞き取りずらいと思います。そのような声を解消するために、よく声楽講師は、マスケラに乗った声、マスケラにあてた声などを表現します。
声を顔の中ではなく外に響かせます。目安にするのは、頬骨、鼻の上のほうなどを意識していただいて声を出します。顔に当てる、意識するといっても、ただ意識しただけでは不十分だと思います。そのときに必要になるのはお腹の底の支えと、息のスピードです。この、息にスピードがなければ、顔のほうまで声が飛んでいきようがありません。また、口の中よりも上あご、頬骨の位置を意識して、その位置に声を置くようにしましょう。(♯β)
A.マスケラ(Maschera)は、イタリア語で「仮面」を意味する言葉です。想像していただきたいのは、ヴェネツィアのカーニヴァルなどで使われるのは、鼻から額までの仮面です。
トレーニングの際に「マスケラ」に響かせて」という言い方を聞くことがあるかもしれませんが、これはその顔面上部のことを指し、前頭部を中心にした共鳴のことを言います。イタリアオペラの確立とともに発声法も研究されたため、ベルカント発声の用語にはイタリア語が多く使われます。
一方、日本の伝統芸術で「仮面」というと、真っ先に思い出すのはお能の面です。こちらは顔全体を覆うものも多くあります。以前、日本の発声を研究すべくお能の謡のお稽古をしていただいていたときに先生が「仮面をつけても声が通るには、身体の中に響かせること」とおっしゃいました。確かにお能の演じ手は仮面をつけていても会場の隅々までよく声が通ります。
西洋の発声と日本の発声という違いはありますが、マスケラに響かせようとするとき、外側へ響かせようとするよりも、骨を中心に自分の身体の中へ響かせるという感覚も大切なことです。(♯ё)
A.まずマスケラとは、マスクのことです。とは言いましても、普段口に装着するマスクのことではありません。欧米に仮面舞踏会という催しがありますが、その際に目元を隠して素性を表さないためにするマスクのことです「仮面舞踏会」(ヴェルディ作曲)、「コウモリ」(ヨハン・シュトラウス作曲)といったオペラ、オペレッタ作品で見掛けた方もいるかと思います。そのマスクを装着する目元及び額の辺りから、光線のように声が飛び出てくる現象が、所謂「マスケラに当たった声」ということになります。
マスケラに当たった声は、声のポジション(声を発する位置)が高く、声の飛びが非常によいです。もちろん、喉元に引っ掛かる、声がこもるということは皆無です。また、大編成のオーケストラや大人数の合唱と同時に声、音を発しても、オーケストラ、合唱を飛び抜けて聴衆の耳に聴こえてきます。
マスケラに当たった声にするためには、体の支え、体の筋肉(腰、臀部、足、背中など)を使って息を軟口蓋へ送ることが必要です。その送り込んだ息の上に声を乗せると、結果としてマスケラの部分に声が当たると思います。首から上に余計な力が入ることなく声が出ます。
ここで注意が必要なこととして、始めからマスケラの部分へ声を狙わないということです。この場合、重心が上がり、体の支えがなくなる可能性が考えられるからです。(♭й)
A.「マスケラ」とはイタリア語で「仮面」の意味です。イタリアのお祭りなどで使用する、顔の上半分の仮面をイメージしてみていただき、そこを響かせることを意識することで、響きのある声、そして、音程を取りやすくなります。そのためにはまず、ハミングをしっかりできるようにすることが必要です。
喉で響くハミングをしてしまう人が多いですが、しっかり鼻が響くハミングをつかむことで、マスケラの響きをつかみやすくなります。また、声を鼻にかける練習も、ハミング同様にマスケラをつかむ有効な練習です。
(♭Ц)