発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3837.地声と裏声、ファルセット、頭声の区別の仕方。(変声区についての考え方)(2)

A.まず、裏声とファルセットの違いについては様々な見解がありますし、発声テクニックとして別物と考えた場合シンプルな考えができなくなるということもあります。のでこの二つを特別に分けて考えないようにしたいと思います。地声は、喉声のような印象もありますので、胸声と定義付けようと思います。

胸声区、頭声区、ファルセット、という3つの区別をするとします。ひとつ前もって注意してほしいことは、この3つの声には関連性がかならずあります。3つを使い分けるというより、3つの割合が変わると考えてほしいと思います。

まず、第一パッサッジョ(パッサッジョ受け渡すの意)で声を頭声区に受け渡すことができなかった場合、音の質が胸声から急に浅い音色になってしまいます。つまり、低音は充実しているのに高音になると急に音がやせてしまう場合は、頭声区がうまく使えていないことになります。

ファルセットに関しては胸声、頭声と少し異なりますが、頭声区でより高い超高音に差し掛かったときに必要になってきます。ファルセットは、声門閉鎖を少し弱めて出す発声テクニックのために、多用することは地声に悪い影響を与えかねません。したがって、ファルセットに関しては超高音歌手以外はあまり考える必要もない声区だとも言えます。(♭∀)