発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4929. 嗄声について(11)~(14)

(1.嗄れたことがありますか。その原因と対処法について教えてください
2.嗄れない声にするためのメニュはありますか
3.嗄れる声にならないための日常の管理を教えてください

A1.仕事場で長袖を着ていても効き目がないほどの強力な冷房の中、しゃべり続け、喉がいがらっぽくなり、かかりつけの耳鼻咽喉科に駆けつけ、治療を受けましたが、翌日、コンサートのリハーサルで高い声の曲を1曲歌ったところ、次の日から5日間、話し声すら出なくなりました。
コンサート本番を1週間後に控え、緊急で治さなければいけない為に強めのお薬(ステロイド)を処方してもらい、一切声を出さず、十分な水分と十分な睡眠を取り、本番には声が出るようになりました。

A2.喉声は声帯を極度に疲労させます。声帯に負担をかけない発声を常日頃から実践することが大事です。指導者に自分の声を聴いてもらい、声帯に負担の無い発声法を確認しましょう。

A3.効き過ぎる冷房の中に長時間居ないように心がける事。避けようが無ければ防寒し、喉を冷やさないように首にショールを巻いたりマスクをし、温かい飲み物をこまめに摂るようにします。
タバコの煙の中に身を置かないことも大事です。
口呼吸は駄目です。(♯μ)

A1.あります、原因としては声の無理な使い方・練習・本番、風邪の時に無理に声を出したことによるものだったと記憶しています。
対処法としては本番のあるとき、ないときに関わらず、何もないというのが僕の答えです、安静にしていればピークから数えて約1週間、本番等があって無理をしなければならないときで約2週間で通常に戻れました。歌を歌う職業として声嗄れほど惨めな思いをすることはないと思いますが、それでも今となっては良い経験でしたし、ある程度実力をつけてからはほとんどないと思います。わざと声を嗄らす必要はありませんが、あまり極度にのど状態を気にすることなく、勇気をもって研鑽していただきたいと思います。

A2.あると思います。ただ、私のこれまでのレッスンの経験によると、嗄れない声にするためというよりは、メニュ自体にある程度のリスクがあるのを前提にしてのトレーニングであるべきと思いますので、結果的に嗄れなくなるという表現の方がわかりやすいかもしれません。全く筋肉痛にならない筋力トレーニングというものがないように、体を使い、声帯を使うということはある程度の消耗は否めないからです。ただそれがいつも悪いほうにいくようでは本当に声を嗄らすだけのものになってしまうので気をつけなければいけません。大切なのは声を出すということは全身運動であることを忘れないこと、声帯やその周りにだけ目を向けるのではなく、つらさばかりでなく、楽に気持ちいいという感覚にもつながるようにしていかなくてはと考えています。

A3.日常の管理として主に心がけていることは3つ、まずは、寝るときなどにのどの周りが冷えないように厚手のヘアバンドをしておくこと、そして水分をよくとることです。私が一番声が嗄れる危険性があるのと感じるのは特に風邪をひいたとき、またイレギュラーな体調の中で無理をして声やのどを酷使してしまい非常にダメージがあった経験があります。
そして残る1つは、声やのどの状態をあまり気にしすぎないこと。状態を確かめるようにしつこく声を出したり咳払いをし続けてナーバスになってしまうのが特に良くないという経験があります。やはり精神的なものの影響の大きさを強く感じますし、通常の体調の中で少しくらいの消耗があったとしてもあまり気にせず、普段の自分の生活の充実を心がけることが一番な気がしています。(♭Ч)

A1.学生時代、若かった頃に一度ありました。
合唱の授業の本番で、オーケストラと共に演奏する機会があったのですが、オーケストラの編成も厚く、周りの先生や先輩方も非常に大きな声だったので、自分の声が聴こえず、自制心を忘れてついつい張り上げた声で歌い続けてしまいました。
張り上げた声というのは、いわゆる、喉で支えられた声の為、身体は硬くなり、ブレスは浅くなる為、音も硬くなり、音程も定まりにくく(上ずることが多い)なります。当然、喉にはとんでもない負荷がかかっており、声帯を厚く使いすぎた為、軽度ではありましたが声嗄れの状態になってしまいました。
音楽的な観点からも、作品からして、そんな張り上げた声なんて必要なく、むしろ邪道なのです。
しかし、合唱のように大勢で歌わなければならない状態で、周りの人が自分よりもボリュームのある声を持った人ばかりという状況では、自分の声が聴こえなくなるという状態になることがあります。
自分の声が聴こえないと不安になり、無意識のうちに頑張り過ぎてしまうことがあります。当時の自分は完全にその状態でした。本当に浅はかです。愚か者です。
どんな状況でも自制心を持つということ。自分の限界値を心得ておくことは、とても重要なことだと思い知らされました。
そして、身体をしっかり使って支えられた発声であることと同時に響きの高い声であることというのは、様々な形態、様々な年代の作品を歌う上で、共通して常に心がけなければならないことであると思います。

A2.一番大事なのは、喉だけに頼った発声にしない、声帯を厚く使いすぎないということだと思います。
まずはブレスの練習をして、ブレスを深く吸えるようになる訓練をしましょう。口からたっぷり、肋骨を開くように、肺の底のほうにまで入るように吸う練習をしてみてください。瞬発的なブレスは、肩や胸の辺りが硬直し、結果として深く吸えない原因になってしまうので、たっぷり時間をかけて吸いましょう。その時、「オ」の口で吸うと、喉の開放がわかりやすいと思います。
この深く吸うブレスに慣れてきたら、息を吸って入っていった肺の底のほうから太いパイプが繋がって、上あごの天井をできるだけ高く保ちながら、天井の一番高い部分を声が撫でていくように発声する練習をしてみましょう。
お腹や背中の辺りが疲れるようになると思いますが、それは、身体を使った発声になっている証拠なので、疲れるかもしれませんが、諦めずに続けてみてください。この練習を基本とすることで、喉に頼らず身体で支えられた声になっていくと思います。
また、肩こりや背中のはりなどが強い人は、筋肉が硬直していますので、声が硬くなりやすいと思います。できるだけ、日ごろからストレッチをし、しなやかに使えるように心がけましょう。

A3.喉だけを頼った発声にならないよう、身体を使った発声にすることを心がけましょう。ブレスをたっぷり吸うという動作は、喉の開放にとても役立ちます。上あごの天井を高く保つという動作は、響く声にする上でとても重要なポイントです。慣れないうちは口を縦に開くという動作が辛く感じるかもしれませんが、あくびをしている感覚が保たれれば、改善されると思います。
また、喉は乾燥に弱いので、できるだけ水分を摂るように心がけましょう。特に冬場は空気が乾燥していますので、水分を多めに摂ったり、マスクを着用すると喉の潤いが保たれると思います。加湿器を使うのもとても効果的です。
肩こりや背中のはりがひどい人は、重たい荷物を扱うことが多かったり、ずっと同じ姿勢を保っている時間の長い人に多いと思います。
筋肉が凝り固まってしまっている状態では、自分の意としている動作に身体が順応しにくくなる為、非常に不利です。時間を見つけてできるだけストレッチをして、しなやかな状態を目指しましょう。
また、痩せすぎている人は、筋力不足により、身体で支えられないこともあるので、バランスの良い食事と適度な運動で、ベストな体型になるように改善していきましょう。(♭Я)

A.状態としては次のようなものです。
1. 喉がすぐ痛くなく、負担が喉にかかっている
2. 高い声が出せない
3. 大きい声が持続できない
4. 長い時間、声を出すとかすれる
5. 発声時に喉に異変を感じる

解決のために
1. 発声のしくみを知ること 大声、生声、のど声でなく共鳴
2. 喉がかすれたり病む理由としては、 
・過剰 急に大きく高く無理に出す 長い時間、休憩せずに
し続ける(水分補給)
・環境 湿度 汚染
・体調、心身の不調
・病気(ポリープ、結節)→医者へ
3. 声たてに効率化をはかること 声帯 声門下圧×呼気流量=音圧(声量)
喉をしめる力を少なく息を多くしていく
コントロールを喉から呼吸にしていくこと

対処法については、
1. 喉の疲れや痛みは喉で対処しない 喉は休める 
・声を出さない ・睡眠 ・栄養
2. 歌唱を100メートル走とすると、その前後の心身の準備が必要
A. アファメーション B.クールダウン C.練習後
3. 練習時間の集中や途中休息
原則として無理な高音、大声をさける

同じ声量(音圧)であっても、喉を強くしめる(声帯下圧大)ことでの発声を、息を多く流すこと(呼気流最大)におきかえていくと、声の共鳴をコントロールしやすくなります。つまり、喉の脱力によって、声になる効率をあげるようなイメージです。そのために呼吸筋、腹式呼吸の習得、心身のリラックスと集中、発声、共鳴のイメージの矯正などが、大切なこととなります。(♭π)