発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q5018~5023.シャウトして歌ったら声がガラガラに枯れて、かすれた声になってしまったのですが、1時間ほどしたら元に戻りました。(1)~(6)

A.やってはいけないとは言い切れませんが、お薦めはしません。できればチャレンジしないほうがよいでしょう。うまくいけば、シャウトはできるようにはなるかもしれませんが、それ以上に声を壊す危険性の方がかなり高いからです。シャウトはできるようになっても、きれいな声では歌えなくなり、あるいは、音域も狭いものになってしまい、普通の曲が全く歌えなくなってしまうかもしれません。実際に、どうしてもシャウトができるようになりたいという場合には、自主練習は避け、シャウトに理解のあるトレーナーにレッスンを定期的に受けて、慎重に練習をかさねていく必要があるでしょう。 (♭Ξ)

A.基本的な問題としてすぐかすれてしまう声の出し方がよい出し方とはトレーナーの立場としては言えません。
昔の役者さんなどは喉から血がでるまで発声して声がなくなるのを繰り返して喉を鍛えるなんて人もいたと聴きますが、今の時代に合っているとは到底思えません。
ただ私はヴォイストレーナーの立場、声楽家としての自分があるのでこのような意見になってしまうのかもしれません。
現に、これでうまくいっていた人もいるのでしょうから貴方のようなトレーニングを全否定ともいえないと思います。
シャウトというのは私の感覚では、歌というよりも役者の絶叫に近いものがあるので、声を鍛えるといった意味合いでは大きな声で台詞をしゃべるといったレベルのトレーニングのほうがよいのかもしれませんね。
そもそもがシャウトするという歌い方というのは感情の高揚で何らかの必然をもってとおこってきたものだと思うのです。
なのでシャウトの練習というのはあまりお薦めしないというのが私の見解でしょうか。(♭Σ)

A.声帯が一時的に、疲労してしまい、たとえていうと、声帯がくっつかない状態になったのではないでしょうか。シャウトは練習を一歩間違えると、喉を傷める可能性があるように思います。少し、違うかもしれませんが、口をあけて、舌を、左右に動かしながら、雄たけびのような発声をしてみると、喉にあまり負担がなく練習になっていいかもしれません。ベリーダンスの時などに、用いられる発声です。キャーというイメージです。ただ単に叫ぶのではなく、その歌の意味の中から、どんな気持ちの高鳴りのシャウトなのかを考えて、横隔膜を使って、できる限り喉の負担のない練習がのぞましいと思います。(♯Ω)

A.表現方法としてどうしても使いたいようであれば仕方がありませんが・・・。喉にはかなりの負担を強いる結果となります。なぜなら、声帯をピッタリとあわせて振動させることで声が出るところを、大量に息を送って声帯を合わせづらくして声帯の周りの筋肉を硬直させ、無理やり声帯を締めて出す声だからです。大量の息を送って鳴らすわけですから、声帯がビラビラになってしまうため、声がガラガラになるのです。ハスキーな声の人は、声帯を振動させて声を出す時に、均等に締まらないので息漏れがしてしまう状態なのです。疲労していた声帯を一時間くらい休めたら、声帯と周りの筋肉が回復するため元に戻るだけですから、何回もやっていたら、声帯と周りの筋肉の痛みが悪化して、日頃からハスキーな声になる可能性が高くなります。もし使うとしても、身体もしっかり使って歌って下さいね。表現方法なので使うことは自由です。リスクを考えてご利用ください。 (♯Δ)

A.歌唱の表現としてシャウトを使い場合があると思いますが、どんなにうまく歌ったところでシャウトが喉に負担をかける歌い方であることには変わりはありません。ですから、練習で繰り返してシャウトするのはお勧めしません。今は1時間ほどでガラガラ声が治っているとしても、続けて叫んでいるうちに元に戻らなくなってしまうおそれがあり、声帯結節やポリープの原因となります。
ですからシャウトに慣れるというよりも、普段のトレーニングで体の使い方、ブレスのこと、共鳴などシャウトの負担が声帯だけに来ない方法を身に付けていくほうが良いかと思います。(♯Λ)

A.想像の範囲ですが、かすれた声になるのですから相当な負担が喉にかかっていたのだと思います。1時間ほどして声が元に戻ったと感じていても、実際のところ声帯は疲労しているのです。その方法を繰り返すと、恐らく喉を傷めまてしまうので、避けた方が賢いです。身体を使ってではなく、喉ばかりで叫んでいるからもたないのです。その方法ではシャウトもできるようにならないでしょう。
また多少強引に捉えると、マイクの有無に関わらず、前者は側鳴りの声、後者は前に飛ぶ声と言えるので、発声の観点からもこの歌い方は避けたいです。喉だけで苦しいシャウトをしている人と、身体全身を使ってエネルギーほとばしるシャウトを聴かせる人となら、どちらに感動するでしょうか?間違いなく後者でしょう。(♯α)