A.声楽の世界において発声の基礎力をはかる上で特に重要視されるのはレガートができるかどうかです。一概に声楽といっても大劇場でオーケストラを超える朗々とした声を必要とする分野もあれば、ピアノとの共演をメインに考える分野もあれば、教会などで歌うことを前提に歌う分野もあるので、発声の理論や方法論が変わってきます。そんな声楽の世界でも共通して必要なテクニックがレガートです。
レガートができないということは、呼吸、支え、共鳴のバランスがかなり悪いです。どれだけ単発で強い声をだそうとも、高い音をだそうともそこには、声楽家としての商品の価値は存在しません。
基本的にはレガートのテクニックとアジリタと呼ばれる音を細かく早く歌うテクニックの習得が声楽の基礎です。
声楽のレッスンで初期に使うコンコーネ50番など1~15番程度は、ほとんどレガートを必要とする曲ばかりです。
ということは初期の初期にレガートを技術として習得するようにという無言のメッセージだと考えます。声楽での技術面のよい指導者というのはレガートとアジリタを生徒の初期段階で指導できる指導者だと思います。
(♭Σ)