発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

Q.さわりとは、イントロのことですか。

A.触りは、本来、盛り上がるところ、聞かせどころ、サビです。ブリッジです。 サビでも、謡曲、語りものでは低く太く渋いところを指します。元々は、イントロのことではなかったのです。 ([E:#x266F])

Q.のど自慢では、チャンピオンの歌がつまらなくなってきたと思うのですが。

A.一昔前は、バックの伴奏のメロディを全く無視して歌ってしまうのに、けっこう長く聞かされてしまうような歌がありました。のど自慢の鐘一つです。お年寄りに多かったです。アマチュアゆえの素朴さにその人柄を楽しめたのです。皆がカラオケで卒なく歌い…

Q.歌が身近な例を教えてください。

A.子供の頃、友達の名前に節をつけて呼んでいましたね。「○○くん、遊びましょ」、こうして、ことばとメロディと2つのものの関係性がつけられるのです。グルーブ感やコール&リスポンスになります。野球の応援の声もまた、歌といえるでしょう。([E:#x266F]…

Q.声の焦点を集めるとはどのようにするのでしょうか。

A.歌を歌うときに、声を集めたり、焦点を感じずに声を出すと、響きの散った音になってしまうことがありますが、これを回避する方法が、「声の焦点を集める」ということです。単に「声を集めるという意識」ととらえたほうがいいかもしれません。普段話し声で…

Q.表現の幅を広げるメニュ

A.声や音に執着してしまって、なかなか自由な音楽を演奏することができないというような状態になっている人は、思い切って視界を変えていく必要があると思います。歌うこと=声や音と結びついてしまっているのであれば、この状態を切り離す作業を行うとよい…

Q.リフって、何ですか。

A.「トンテテ、トンテテ、トンテテテンテン、会津磐梯山は~」と、このリズムで繰り返されること、リフレインをリフといいます。([E:#x266F])

Q.音楽の基本構成とは、何でしょう

A.始まり、進み、戻る、序破急といっても、それぞれ違いますが、途中に緊張が来てから納めるのは、全ての芸と共通します。([E:#x266F])

Q.音楽や歌の誕生から成立は、どういう流れでしょうか。

A.一個人から考えてみます。好きに音を出したり声を出したりしても、大体10分ともちません。自分一人ならともかく、他の人が楽しめたり、飽きないものにはなりません。そこで、メロディ、歌詞をつけるのです。 もう一つは、人と関係させてみます。かけ合わ…

Q.響きを自分で作ろうとしないでと言われました。

A.レッスンを続けていく中で、自分が出す音は、結果であり、自分で音の響きを作ろうとしない方がいいというときがあります。ある程度、レッスンが進み、声も出てきて、その声をもっと美しく充実させた響きにしていこうとしたときに、自分の喉の周りで響きを…

Q.コペルトとは何ですか。

A.アペルト、イタリア語のaprire「開ける」の過去分詞形がapertoで、それに対してcoprire「覆う」の過去分詞形がコペルトcopertoです。 歌では、口を開けて頬骨も上にあげて、両サイドに広げるようにし、唇も歯の上にめくれ上がったような感覚で歌うものをア…

Q. 教育での音楽と日常の音楽との乖離をどうみますか。

A.教育とは、あるところまでは強制的に入れ込むものですから、音楽が何も入らないよりはずっとよいと思うのです。日常の中の音楽は日常にあるので、日常で楽しんでいればよいとも思います。([E:#x266F])

Q.学校の音楽となると、クラシックとなることで弊害はありますか。

A.クラシックは習った分、入ってしまっていますが、自らは選んでいないのです。それは、文化であって文化でない、でも入っています。問題は、クラシックだけでよいのかということです。それは、体制、教師や教員育成問題ともなります。([E:#x266F])

Q.プロで歌唱力のある人は、ヴォイトレができているのでしょうか。

A.私は、結果オーライです。仮に、誰かにトレーナーのヴォイトレができていないと言われてもかまいません。さらなる表現の可能性をヴォイトレが与えることもあります。歌唱と同じく、ヴォイトレも限りはありません。満足のいくところまで使えるようになっ…

Q.音楽といえばクラシックとなる教育制度は、おかしくありませんか。

A.日本の学校の音楽室にある肖像画といえば、なぜバッハ、ベートーヴェンなどでしょうか。日本人の肖像画は、なぜないのでしょう。この辺は、変えていくとよいと思うのですが。 音楽だけでなく、社会科や世界史、地理でも、いろんな教科で欧米中心に教えら…

Q.呼吸のトレーニングに必要なことはなんでしょうか。

A.歌を歌う際に、息を保つかということが需要です。脇腹の胸の下あたり、(着物で帯を締める位置)に手を置いて息を吸ってみましょう。思い切りあくびするように息を吸うと、肋骨が両サイドに広がると思います。この時に皆さんの横隔膜は下にさがって平らな…

Q.息が続かない曲は、どのように練習したら息が続くようになりますか。

A.息が続かないときの理由はさまざまあります。例えば、リズムや音の幅に振り回される、発音を頑張り過ぎて息を消耗する、力みのせいで息が流れていない、身体を使えず始めから息が足りていない、などです。この中で身体を使えていない人は、身体を使うこと…

Q.五感を磨くと声もよくなりますか。

A.五感は大切だと思います。センサーとして情報を取り入れるもので、生体を守るためのものですが、声は出すもので逆です。守るために使うにも攻めて守るわけですね。守りのなかで一人攻めるピッチャーのようなものですね。声は出せていても、しっかり使う…

Q.いろんな情報に迷って、トレーニングに専念できません。

A.情報は、活かせるなら使えばよいし、活かせないのなら使ってはいけません。迷うくらいなら忘れることです。気づくために、頭をいっぱいにしないこと。発声は特にそういう態度で臨むことです。([E:#x266F])

Q.ヴォイトレの姿勢で歌っている歌手は誰ですか。

A.ヴォイトレにもある程度、理想的な姿勢はありますが、これは形ではなく、発声や歌唱のための体づくりのフォームのようなものです。直立不動で歌う人がいるからといって、ヴォイトレの見本というわけではありません。大リーグのバッターみたいに、プロと…

Q.西洋の音楽には、日本人とは別の発声法が必要なのですか。

A.同じとか別とかいうのをどこで区別するのかですが、日本の歌のなかでも、それぞれかなり発声や共鳴が違うものです。一口に、声楽といっても、そのまま、民謡を歌えるような発声の人もいれば、オペラを歌うのには達しない人もいるのです。([E:#x266F])

Q.なぜ、手を温めるにも、熱いものをさますにも、息が使えるのですか。

A.ゆっくり息を出すと、体内の温度で温かくなった息が出ます。早く出すと体外の冷たい空気を動かすから冷たいのでしょう。([E:#x266F])

Q.森繁さんの「歌は語れ、せりふは歌え」とは、どういうことでしょうか。

A.歌は歌って、せりふは語ってというのが、そういう形だけになってしまってはよくない。歌は、ことばのように、せりふは、音楽のように共に活かさなければいけませんということでしょう。せりふ、ことばには、感情や間、メリハリなど、歌、音楽にはリズム…

Q.差別について、どうみられますか。

A.人種や性別など、自分で選べない属性での差別的な取り扱いが、差別とみなされます。好き嫌いは、意志でなく感情ですから、そこを差別的だから感情をもつなと言えません。ただし、表に出さないように努めることはできます。 とはいえ、つきあうとかモテる…

Q.性差は乗り越えられるものですか。

A.生物的な制約としての性差については、忘れてはいけません。たとえば、性として、男は何人もの父親になれるし、同時に自分の子供をつくれます。女は年にほぼ一度です。 男は高齢でも子供をもてるが女は閉経します。 女は身体的には誰とでもセックスでき…

Q.男女の違いについて、シンプルに知りたいです。

A.女性が基本、男性は、その元祖からの派生と例えられます。「男はdoingする性、女はbeingである性」(ナンシー・チョドロウ)とも言われてきました。男性の集団は、競争し、上下関係を秩序とします。 親しいことと性的対象化についても、同じではありません…

Q. 本番の前に声がでなくなったときの対応を教えてください。

A.本番の前に声がでなくなったときの対応としては、基本はキャンセルでしょう。風邪などで声が出なくなった場合は、共演者のためにも、キャンセルするべきでしょう。ただ、代役が居ないという場合は、そうはいかず、出ない声を使わなければならなくなります…

Q.体を使って声が出ません。

A.体を使って声を出すには、いろいろなアプローチがあると思いますが、目安として横隔膜を使えているかということがあります。歌っているときに、お腹周りに意識を向けてみてください。この部分が全く動いていないという自覚のある人は、まず、やみくもにで…

Q.母語は口内でつくれるのに、口をはっきりと開ける練習は必要ですか。

A.人は、音声だけでなく表情でも聞きとっていることを忘れてはなりません。音声よりも表情で違う音に聞こえるほどなのです。よい共鳴のため、表情筋を使う機会として、口をはっきりと開けて動かすことは悪くありません。([E:#x266F])

Q.口を大きく開けないと、声がこもるのですが。

A.そういう人もいます。ただし、声をしっかりと使える人は、ほとんど口を動かさなくてもこもらないし、発音も明瞭です。ヴォイトレで口を大きくと言うのは、口内を広くというときもあります。([E:#x266F])

Q.歌うときは口を大きく開けるように言われました。

A.人によります。確かに口を大きく開けて歌う方がよい人もいます。大きく開けるというのは、開けたままではなく、大きく動かして、ということですね。声がしっかりと使える人は、表情を除くなら、あまり大きく開けていないものです。特に日本人はですが…。…