発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

03.発声

Q.よい歌声というのが伝わる声なのでしょうか。

A. よい歌声というと難しいのですが、伝わる声ということになると、伝わった相手の受け止め方にもよるのでさらに複雑です。悪い声や悪い歌声でも、よい歌声、正しい発声、きれいな声、など、よいと思われているものよりも、伝わることもあります。某あるの…

Q. 喉の調子でなく鼻の調子をよくしろといわれました。

A. 鼻腔のほうの共鳴によって、最終的な調整がされるような発声については、鼻が詰まっていたり鼻の調子が悪いと大きな影響を受けます。特にハイトーンやソプラノなどです。鼻うがいをしている人もいます。鼻に限らず、身体の管理をしっかりすることが基本…

Q.声を出すときに緊張するのはなぜでしょう。

A. 声を出すということは、普段のときよりも、力を使います。ですから、それに対応できるような呼吸がすぐに切り替えられるか、日ごろから運動などで、深い呼吸をしていないと影響するわけです。

Q.声が上ずるのはよくないのでしょうか。

A.声が上ずるということは、こちらも、緊張していて、その緊張を相手に伝えることにもなります。相手も、リラックスできないので、お互いによくないような状態になりかねません。

Q.声を明るくするためにはどうすればよいのでしょうか。

A.最も簡単なのは、口角を上げるということ。つまり、笑顔に明るい声、あるいは明るく思われる声が出るというところでつながります。暗い顔をしていたら暗い声になる。印象的なところですが、日常会話ではそれで充分です。

Q.口角を上げたり、下げたりすることによって声のコントロールはするのでしょうか。

A.そのように教える人もいるようですが、あまり、そこと結びつけないほうがいいと思います。 もちろん、顔の表情筋としていろんな動きが柔軟にできた方がよいのですが、そうした覚え方では、不自然な表情を作ってしまうことがあるからです。

Q.声の通りはどうすればよくなるでしょう。

A.母音でいうと、オではこもりやすいので、アやエを使う方がよいでしょう。発声がきちんとしてきたら、イの方が通る声になります。もう一つは、昭和の古い歌唱法のように、少し鼻にかけていくことです。いわゆる鼻腔共鳴を使うのです。これもやりすぎると、…

Q.声の歪みは、心身のどこかに無理がかかっているからでしょうか。

A.そういうケースも多いですし、喉そのものが痛んでいたり、疲れすぎていて、状態が悪くなっていることもあります。

Q.声を出すことが苦手な人は、どうしてそうなるのでしょう。

A.もともと内気であまり声を使わない人が、たまに使ったときに、聞き返されたり、うまく伝わらないと、自信がなくなり、さらに声を使わなくなり、経験を積むこともできなくなります。それは能力の差というよりは、性格や受け止め方の差といえるかもしれませ…

Q.赤ちゃんの声には、嘘偽り歪みがないのでしょうか。

A.赤ちゃんはまだ嘘をつくほど、頭も言葉も使いこなせません。ですから、嘘偽りはないでしょう。ただし、鳴き声を聞いてわかるように、小さな声帯から、無理にお腹から声にするので、やや歪んで聞こえる方が多いと思います。少なくとも美しい発声とはいえま…

Q.ヴォイストレーナーがよく赤ちゃんの発声を参考にというのはなぜでしょう。

A.大体の場合は、腹式呼吸ということでのたとえだと思います。少なくとも、赤ちゃんの泣き声は、聞き心地のよいものではありません。ずっと聞いているとストレスを抱えるでしょう。ただ、小さな声帯からあれだけの声を出すというのは、合理的な発声の仕組み…

Q.赤ちゃんの声が理想なのですか。

A.赤ちゃんの声が魅力的なのかというと別問題です。 むしろ、泣き声では、緊急時に人を引きつけるサイレンのようなものだと思った方がよいでしょう。それによってストレスを抱える人は多いはずです。

Q.もっともうまく声を出しているのは、赤ちゃんなのでしょうか。

A.言葉がないのに相手に伝える力があるとか、小さな体なのに効率的に声を響かしているというのなら、確かに赤ちゃんだと思います。赤ちゃんは全身を使い、無駄な力みが入っていません。また、対人関係などに配慮しないために、お腹の空気を目一杯使って声に…

Q.声を出すときに、ねちゃっとするような感じがします。

A.歯の隙間から舌が出たりしているのではないでしょうか。 舌足らずの幼い声がかわいいとなって、そういうふうなしゃべり方をしていると、それが身についてしまいます。ただでさえ、今は、固いものを噛まず、舌やあごの力が弱くなっています。

Q.声が出ないときには、あかんべえをすればよいと教わりました。

A.舌の方に問題があったのではないでしょうか。スポーツ選手がチューイングガムを噛んだりするのは、顎や舌を柔軟にして、集中力を高めるためです。発声の場合に、異物を口の中に入れることができないので、こういうアドバイスがあったのではないかと思われ…

Q.うまく出ていた声が、いつも、どこかで出なくなります。

A.出なくなったときの状況、いつもと比べてみて記録していってください。何が原因かを突き止めてみるとよいでしょう。それと、うまく出ていたと思う声が本当にうまく出ているのかもチェックしてみましょう。

Q.声がうまく出るときと出ないときの差がとても大きいです。

A.声は心身ととても関係するので、うまく声が出ていると思うと、心身の状態もよくなり、さらにうまく声が出るようになります。その逆もいえます。心と体と声がつながっていると思ってください。ですから、うまくいかないときには、切り替えて、心が身体から…

Q.声が弱い人の特徴というのはあるのでしょうか。

A.あまり声を使ってこなかった人を、その使う必要がなかったような人にありがちです。性格的には、内向的で、感情表現をあまりしない人、周囲の目や評価を気にしすぎる人に多いでしょう。

Q.頑張って声を出そうとすると、うまく出なくなります。

A.声を頑張って出そうとしなければいけないという状態で、かなりの無理がきています。頑張ることで声が出なくなるものです。

Q.雑談でも何でもしゃべっていたら、声はよくなりますか。

A.毎日ほとんどしゃべっていなかったような人は、おしゃべりをすることによって声が出やすくなっていき、声質もよくなるでしょう。ただ、いつもそういうことをしている人は、逆に、喉が疲れていることもあります。また、せりふや歌唱などに使う場合は、日常…

Q.声の音色は何で決まるのでしょう。

A. 声の音色は、声の倍音の構成、それぞれの強まり、フォルマントで変わります。

Q.発声をするときに、筋緊張状態で歌うと、どうなりますか。

A. 喉頭が上がります。響かせたり強く出そうとすると、喉頭筋を収縮させてしまい、詰まった声をつくることになります。声帯を強く締め付けると、摩擦が多くなり、息をさらに強く吐くことになりがちです。すると声道全体が緊張してしまいます。筋緊張性音声…

Q.ビブラートが乱れます。

A. 歌手の実力は、ビブラートでもよくわかります。うまくない人は、大きく不規則に動いて、震え声になります。原因としては、過度の緊張や声の支えの欠陥です。歌唱技術の不足で大曲を選んだときに見られます。

Q.声が出にくいのは、喉の緊張のせいですか。

A. 喉に関係のない筋肉でも、緊張が増すと、全身の神経筋系の緊張が高まって、その疲れが、発声に関わってくるものです。

Q.発声は大きな声でコントロールするのですか。

A. 発声は、最大の努力というよりは最少の努力において、コントロールできなければいけないわけです。そのために腹式呼吸を使ったり、発声や共鳴をマスターしていくわけです。

Q.発声のときは、喉も緊張しますか。

A. 喉頭の披裂喉頭蓋ヒダ、仮声帯、声帯のうち、声を出すときには、声門が閉鎖され、他の2つは、弛緩して声道を確保します。

Q.発声は呼吸に伴う反射活動ではありませんか。

A. 生きるための呼吸や嚥下運動を、複雑にコントロールして、声を出したり歌ったりするようにしているわけです。もともとの反射活動を、大脳皮質のコントロール下に置くのです。

Q.喉が荒れるのは、なぜですか。

A. 喉が荒れるのは、過剰な筋緊張、摩擦、疲労などから起こります。声を出すには、いろんな活動を、意識的に行いながら、筋肉を収縮させたり弛緩させたり、とても複雑なことを感覚的に行っているわけです。

Q.発声が悪いと身体に悪い影響が出ますか。

A. 楽器のプレイヤーなら、筋肉や神経が大きく関係しますが、発声については呼吸器以外にも、消化器系や内分泌系の病気でも影響が出ます。

Q.発声は、無意識では上達しませんか。

A. 呼吸は、普段は脳幹で無意識に制御されていますが、セリフをいうときや歌うときには、大脳皮質も関与します。こうした場合、呼吸というのは、呼気と吸気を意識しなくてはなりません。胸部や腹部の動きや喉頭の変化、発声での共鳴等を感じていくことにな…