18.トレーナーについて
A.トレーナーは、曲より歌唱を、好き嫌いでなくすぐれているかどうかをみるのが仕事です。甲乙をつけるのはよいということではありません。まして、知っている数などは、どうでもよいでしょう。とはいえ、人並み以上、マニア以下というところでしょう。 常に…
A.その人の生い立ちなどを聞いて、ストーリーを読み取るのは、よし悪しがあります。今や、多くの人が自分について他人に語るためにストーリーをつくっています。本人もつくっているうちに創作が本当のことになり、信じ込み、抜け出せなくなっているのです。…
A.素材がプロで歌えるレベルなら、第一には、その修正力でしょう。よりよいイメージを出して修正していきます。片や、初心者やセミプロにはプラントメニュ、根本的に改革すべきプロのときはプラン作成能力と与えたメニュを使っての修正力でしょうか。 その前…
A.慣れていくこと、身につけていくこと、マンネリになることは、トレーニングの中心での進歩です。これをくり返しつつ、同じレベルでなく、レベルをアップさせていくのが大切です。ですから、同じことを新たな視点でみせたり、違うことを新しく与えていく発…
A.早く少々できるようになることは過大に、長くかかってすごくできることは過小に評価されるものです。だからこそ、自分のトレーナーとして適任者をうまく選ばなくてはならないと思います。
A.ことばの使えないトレーナーはあまり勧めていません。レッスンには、ことばは声よりも大切かもしれません。私も、声については任せていても、ことばについてはトレーナーにいろんな要求しています。特に、ことばを使い過ぎないように、と。 トレーナーは、…
A.歌うとか語るというのは、比較するものではありません。声は顔のように、正しいや間違いはない、お互いに与え合い、研究しあってwin-winに関係を築ける人たちと声を通した関係を保っています。 最近は、世の中、lose-loseになりたがる人が多いのでしょう…
A.私の本やブログを読んで、あれこれ言われても…という人もたくさんいると思います。その通りなのです。しかし、言語はツールであり、使いようによっては役立ちます。トレーニングというわざとらしいものを提唱した以上は、言語化して説明責任も負うことに…
A.万人に当てはまるトレーニング方法はありません。自分に合ったものをみつけましょう。 トレーナーは、その手伝いをしていきます。当てはまらないものを無理に当てはめるのではありません。いわば、タイミングに応じて、よい材料を出していくのが仕事です…
A.知識と方法を経験として与えることで、本人が一人で再現できるようにしていきます。 何がしたい、誰に喜んでもらいたい、その先にある人生の目標と、そのイメージによる動機づけを明確にしていきます。現状の把握と改善方針を示します。
A.はい。この「どうしたいのか」がはっきりしていないときや本当にそれでよいのかと思われるときに、どのようにするのかは、いつも難問です。
A.まったく接点のつかないときに、最小限のヒントを出して導くのは仕方ないと思います。しかし、トレーナーが自分の期待する答えに一方的に誘導するのはよくないことです。
A.トレーナーが教えすぎるのは、もっともよくないことと考えています。 その方がトレーナーもクライアントも充実感があり、その後もうまくいきやすいかもしれません。しかし、もっとも大切な、自分で感じ、考え、試してみる姿勢が身につかないという問題が…
A.中途半端に答えるよりは、「忘れました」「ググってください」でよいでしょう。おかしな質問なら「勉強不足ですみません」で切り上げます。もちろん、内容が専門分野でしたら、「少々あいまいなので、後ほど、確認してからお知らせします」と誠意をみせ…
A.ヴォイストレーナーも同じです。というのは、一刻の猶予もままならないときに、声の調整のためにいらっしゃる人がいるからです。遠方にもかかわらず調整のために足を運ばれる人もいます。そんなときに、こちらが声や体調の不良でお休みでは済みません。
A.歌やせりふを声でみるには、その人すべてを丸ごと、自分の体に寄せて感じなくてはなりません。相手の声から、相手の喉の働きを自分の喉に写しとり、そこで、何が違っているのかを知り、処方するのがトレーナーです。
A.私はヴォイストレーナーとして、長きに渡り、他のスタッフとともに研究所で、多くの人の声の魅力を引き出してきました。役者、声優、歌手といった、声をプロとして使う方から、普段の生活でカラオケ、コーラスなどの声をよくしたい、仕事に役立てたいと…
A.国家資格はありません。でも、いろんな分野と絡んでいるのです。医者では、耳鼻咽喉科や精神科医、そのなかでも、音声医、ヴォイスクリニックといわれるところと関係が深いです。もちろん、手術や薬の処方は専門の医者の分野です。
A.この二つは、常に問題になることです。 ヴォイトレは、その判断もトレーナーによって大きく違うという状況です。医療でいうと、原因と対処法、診断と治療法、この二つが確立しているとまではいえないのです。治すのでなく、創るものだからです。
A.トレーナーとしては、安定を優先します。長時間、長期にわたり、よい状態で声が保てるようにアドバイスします。 その上で、ハードなパフォーマンスに対応していくことはあります。しかし、一時の最高のパフォーマンスのために、その後を犠牲にするリスク…
A.トレーナーとして、自分を信用させたり信頼関係を早く築いたりするのに、若干、パフォーマンス的にわかりやすい効果を出してみせることはよく行われています。そこだけでみているか、全体や後のことを考えているかが、トレーナーの本当の力の差だと思い…
A.まず、あなたの状況を客観的に判断できる人に会うことです。それが難しいなら、何人か、複数の専門家に会うことをお勧めしています。 ちなみに、研究所では、内外に複数のトレーナーや専門家をおいています。同じことを異なる専門家にも尋ねて、確認して…
A. 最初から自分だけで何とかしてあげようと考える“親切”で自らが“万能”と思っている専門家ほど、そのやり方が合っていないときは、やっかいなことになるともいえます。その人にもっとふさわしい専門家が必ずどこかにいるのに、その出会うチャンスを奪って…
A.元から強いトレーナーもきちんと鍛えて強くしたようなトレーナーも、日本では、ほとんどいないのが現状です。トレーナーの方が、「声や喉が弱いのでは」と思える状況です。 合理的に鍛えているのは声楽家ですが、そこでも国際的にはとても弱いといえます…
A.大半は、よくない状態の声を写し取るので、トレーナーの心身と喉そのものに大きな負担がかかります。それに押しつぶされない強靭な心身と声のキープが、ヴォイストレーナーの仕事には欠かせません。
A.一人の専門家でなく、セカンドオピニオン、サードオピニオンからも情報を得ることがとても大切になるのです。機能低下の改善か、向上なのかでも、即効的なことが求められるかなどで考え方も処方も違ってきます。
A.どちらかに実際に訪れたら、教えてくれるでしょう。喉のことでヴォイトレしようとする人は、かつては勘のよい人でした。今は、当事者だけでなく、周りの人が困って相談にいらっしゃる例も少なくありません。 そういうときも、守ることよりも、もっと高い…
A.真面目で責任感が強く、努力をしていて忍耐強い人は貴重です。あきらめずにコツコツやることは、よいことです。そこに使命感や生きがいもあることでしょう。しかし、それをそのまま人に強いると暴力になりかねません。適性を見極めていくことです。([E:…
A.月を歩いた人にしか、月のことはわからないのでしょうか。月まで辿り着いた人の方が詳しいこともあれば、経験だけではわからないこともあります。シミュレーションで体験して、イメージして、用意してきた人もいたでしょう。それまでにも、月については…
A.歌よりもそこに世界があるかないかが一番大きな違いです。歌手なら自分の歌に、その世界を詰めていくことができる。アマチュアの人より高度な判断力があるのが、トレーナーの資格です。