A.耳を良くして下さい。耳を良くするとは、聴力のことではなく、演奏を客観的に判断できる、聞き分けられる耳という事です。それには、一流の演奏を何度も聞くことです。演奏家がどのように体を使っているのか、どのように伝えようとしているのか、聞く側からだけでなく、演奏者が何に注意をしているのか、演奏者の側に立って聞くことも大切です。
一流の演奏家は、持ち声だけで仕事はしません。声をコントロールしながら、体になるべく無理させずに、かつ表現を最大に発揮できるように気を使っています。良い演奏をたくさん聴き、演奏家の気を使っていることまで読み取れるように、なるべく多くの事を受け取れるように、耳を鍛えましょう。そのうちに、演奏を客観的に聞くことができるようになり、自分の演奏も客観的に判断できるようになるでしょう。(♯§)