A.呼吸法とひとくちにいっても人それぞれ感じ方が違いますが、生徒さんとレッスンしていく中でよく課題に揚がるのが「深く息を吸ったり吐いたりすることができないこと」です。男性は比較的腹式呼吸を理解するというか体感する人が多いのですが、女性はかなりの人が体感しにくいようです。
習得法のまず一歩は、ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと息を吐くという動作を意識的に行なうことです。その際に、鼻から息を吸う方法が深く息を吸いやすいという人もいますが、アレルギーや鼻炎持ちの方も多くいらっしゃるので、困難になりながら鼻から息を吸うよりは口と鼻からの両方から吸う方法をお薦めしています。息を吸う行為で、余計力みが入ってしまうようだと本末転倒になるからです。
この練習を行なうにあたり一番大切なことは、ゆっくり息を吸う、吐くの動きをしているときに自分の身体がどのように動いているか、体感したことを意識できるかどうかです。漠然と呼吸法の練習をしても、気持ちが少し穏やかになるかもしれませんが身体の感覚を感じないことには意味が半減してしまいます。
ゆっくり呼吸をすることが漠然としすぎるのなら、視覚的にイメージすることをお薦めします。
同じスピードで手を動かしながら呼吸のテンポを整えたり、吸う時間と吐く時間を数字で数えてだんだん長く吐いたり吸ったりすることで、呼吸のコントロールを体感させる練習方法もあります。それから、日常は立って生活しています。重い頭を支えて地球の重力に引っ張られているので、身体が非常に抑制されています。横になると、重力が分散するので、特に首から肩にかけての圧力がかなり開放されます。ですから、横になりながらゆっくり呼吸をする練習も効果的です。立って呼吸をするより、かなり楽に呼吸できる感覚になるはずです。息を吐くときは、軽くお腹(下腹)をへっこませる感じで、いきを吸うときはお腹が膨れるのを意識してみて下さい。(♯Δ)