A.レッスンに来られる方の中にテノールになりたくてハイCを出したいという方がいらっしゃいました。しかし誰でもがテノールになれるものではなく生まれ持ったものもしくは長い年月を経てトレーニングしてきたことが実ってテノールになっていらっしゃる方が多いのです。ハイCそのものもはとても魅力的な音ではあります。しかし音楽上本当に必要なのでしょうか。三大テノールのプラシドドミンゴはハイCを得意とはしていませんでしたしイタリアの指揮者リッカルドムーティは楽譜に書いていない音は決して歌わせなかったそうです。出ないより出たほうがいいのは当然ですがそれよりも中低音の充実こそが実はハイCへの一番の近道であり唯一の方法かもしれません。特に下のC~上のFまではどの声部でも難しいのでしっかりとトレーニングしたいものです。テノールを目指す人にとって上のF、F#、Gは難関なのでしっかりと勉強しましょう。ただ単にだしていてもよい声にはならないのでがんばってみてください。(♭Σ)