発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4197.声についてはお医者さんが専門家ですか。

.今、若い人はあたりまえに、声という分野に入ってきますが、多くの方々(年齢としては上の方もいますが)をみると、私がこれまで試行錯誤してきたこと、迷ったことなどを、先方から話だされて、なつかしくも新鮮な想いに囚われることがよくあります。

 声というのは魔物のようなもので、正体不明、誰もが「とらえた」とか、「わかった」と言っていながら全く取り逃がしているようなものなのです。大事に見張っていたカゴを開いたら空っぽということもよくあるのです。

 そのあたりは、私も、今では「その人がどういうことを質問するか」で、大体分かります。

 ここにはけっこうな肩書やキャリアの方もみえますが、案外と誰もが、声とその指導についてのプロセスや結果の検証からみると、未熟です。声については専門家がいないのです。医者は身体の専門家ですが、発声となるとアマチュア、表現となると、それ以下の人も少なくありません。

 でも、身体の専門家として人を診ているキャリアから教わることは山ほどあります。ただ、彼らのなかには、学会でしか教わることがないのか、1020年、音大の先生の一部と同じく、20代での勉強(知識、理論)でその牙城を固めて譲らない人も少なくありません。

 舞台に関わる私たちの方が、表現を通じて声からは多くを学ばされざるをえないのでしょう。(Ei)