発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4313.ヴォイストレーニングや声楽のトレーニングをしていくと、客観的に変化することのわかる部分は、どこでしょうか。目安など。(体験もしくは指導上の経験や伝聞)(1)~(6)

A.スポーツ選手のようには、筋力が強くなるようなことはあまりないと思います。姿勢は、よくなるでしょう。表情筋は、強くなるというよりも柔らかく動くようになり、自然な笑顔や表情が作れるようになります。あとは、喉周辺の筋肉が柔らかくなってくると思います。ここが逆に硬くなってしまうようならば、明らかに方法がまちがっていると思います。

ちなみにオペラ歌手が太っているのは、あまり発声のためなど関係はありません。おそらく、実際の消費カロリーよりもたくさんカロリーを消費している錯覚に陥って、過食気味にのかもしれませんね、あくまで想像ですが。声を扱うことは、テクニックが80パーセントです。ボディービルダーのような努力ではなく、職人さんの何十年も費やして培ってきた技術のようなものです。見た目が劇的に変わるようなことは、あまり考えにくいでしょう。(♭∀)

 

A.1.声楽では、ハードなレッスンや自主トレで効果をあげている人ほど、喉を守るためや、声を支えるために使った体を回復させるため、過食気味になりやすく、太りがちな人がみられます。また、太らなくても、声を支えるための筋力は、確実にアップしていくため、体重増加の傾向は、あるでしょう。

2.姿勢に関しては、ほとんどの人が良くなりますが、やや上半身が反り気味になることは多いようです。オペラに限って言えば、どのような体勢でも歌えることが大切なので、姿勢に左右されない発声を獲得することが必要です。

3.呼吸に関しては、多くの場合、発声が上達するのと並行して上達していくため、深く楽になっていきます。腹筋は強くなる以上に柔軟性を増し、お腹は膨らみやすくなります。(歌唱時にいっぱい膨らますということではありません。)

また、支えの考え方のバリエーションによって、多少の違いはあるかもしれませんが、肩と胸が楽に広がっていることが多いようです。

4.表情筋は、ほとんどの人で活性化するでしょう。

声域は、狭かった人は広がりますが、もともと広い人も少なくないので、ケースバイケースでしょう。

声量は、大きく分けて5段階ぐらいの変化があるようです。ほとんどの人で1段階目の声量アップがあり、2段階目の声量アップが音楽大学の声楽科に進めるかどうかの分岐点になるようです。クラシック音楽以外の歌手をめざすなら、このあたりで充分な声量(特に日本では)でしょう。音大声楽科の卒業生の半数くらいは3段階目の声量アップがあり、4段階目の声量アップがあれば、プロとして活躍でき、5段階目の声量アップがあれば、稀なビッグヴォイスになります。(♭Ξ)

 

A.1.横から見たときに、体が厚くなる。肋骨が開くので、胸が厚くなります。腰にくびれも出てきます。筋肉もできますので、体重増えることがあるかもしれません。疲れにくいからだになり、歌で代謝もアップすると聞いたことがあります。横隔膜、背筋などの運動になります。ストレッチをすれば、かなり、柔軟な体なります。

2.顔だけ出ていたのが、顎が引けるようになったり、猫背が、上にひっぱられるようなよい姿勢になったりします。理想の立ち姿勢は、肩、手首、くるぶしが一直線になるのが理想です。そのような形に近い方もいます。胸が開いていきます

3.スーと息を吐くだけで、深いところから、息が出ているような音になります。ブレスも続くようになり、いっぱいいっぱいで歌っていたところも、楽にフレーズがつながるようになります。客観的にみると余裕のある感じになります

4.顔を思い切り、動かしてみると、とても、柔軟に動いたりするのをみると、上達していることがわかります。笑顔で歌えるようになると、かなり、いい方向になります。唇を尖らせて歌えるようになると、横隔膜を使って歌えてることになります。(♯Ω)

 

A.単純に私の場合は音域がかなり拡がりました。自分にはないと思っていた低音、太いまま出せる高音域を手に入れることができました。現在も改良中ですが特に高いミ~ラまでの出し方が劇的にかわったと思います。パッサッジョを変えるものだと思っていたのが変わるものだということに気づかせてもらいました。

また普通に立っているときの姿勢がいいと言われたことがあります。 (♭Σ)

 

A.オペラ歌手の体型は、体重が割と合って大きな身体の人が多いですが、声楽トレーニングをしていくとそうなったわけではありません。たしかに、平均的に私の周りでも大柄だったり、標準体重よりも大きいであろう人が圧倒的に多いですが、それは一個人の体質のせいな気がします。私自身は、身体も小さいし、標準体重ですが声量がないわけではありません。でも、ガリガリでもないですね。

若い頃より腹式呼吸を意識して声楽トレーニングをやっていて自分の体つきで変化を感じるのは、歌っていない人と比べると胸板が厚くなってウエストが割りとなく寸胴になったと思います。

それから、首の後ろや喉の周りの筋肉が厚くなったと思います。歌う事は、自らの呼吸をコントロール(沢山息を吐いたり、早く吐く、ゆっくり吐く、少しずつ吐くなど)して行うので、吸った息を肺に入れ、横隔膜を使って保つことは当然ですが、胸筋や背筋など多くの胴体周りの筋肉を使って呼吸を保ちますので、自然と成長したのだと思います。

でも、歌いやすい、または呼吸を保ちやすい姿勢をキープさせるために、多少の筋力トレーニングもします。たとえば、胸筋。女性は男性と違って胸筋が弱い傾向にありますので、歌っていると胸で呼吸をキープしてしまったり、テコみたいに胸筋を押してたり凹んだりして呼吸をしている人が多いです。でも、そうすると胸がしぼんでしまうので結果的に固い声になったり、息が続かなくなったり・・・。と弊害が出ます。ですので、軽い腕立て伏せや、マシーンを使ったトレーニングをしています。

そして、重心をキープするために、下半身を鍛えます。私は、歩くことや自転車で30分くらい漕いでトレーニングします。下半身が安定していないと良い声が出ません。まるでスポーツ選手のような意見ですが、私にとって歌う事はスポーツに似ています。 (♯Δ)

 

A.横隔膜をよく使うようになるので、肋骨の一番下が広がったようです。表情筋が柔らかくなりました。(♯Λ)