発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4431.声を前に飛ばすためには、どうすればよいですか。(1)~(6)

A.よく支えてタメをつくることがまず大事です。アーチェリーや弓道を想像しましょう。弓を引かないで前に弓を押し出そうとしても弓はまっすぐに飛んでいきません。引きつけて飛ばすことが大切ですね。声も、吸気運動があってから吐気運動があります。吸気運動で横隔膜をよく下げておくことは、発声ではこのタメを作ることを意味します。それから大事なことは、発音する場所で子音を飛ばすことです。決してお腹のほうから突き上げないで、発音する箇所を巧みに利用して言葉を発音することが声を飛ばす大きな秘訣になります。あとは、基本的発声フォームが正しいのであれば、自由に声は飛んでいくことでしょう。♭∀

A.もっとも簡単な方法としては、声を前に飛ばそうと常に意識することです。その結果、身体やお腹や喉など、あちらこちらに余計な力がはいってしまったりもするかもしれません。それを、定期的にトレーナーに確認してもらい、無駄な力は使わないように修正しながら、前に飛ばそうと意識し続けることが、いちばん確実な近道でしょう。声を前に飛ばすために必要な筋肉とテクニックを身に付けるために、ある程度の期間・時間は、どうしても必要で、一朝一夕には、できるようにはなりません。できるようになるまで、待ち続けることができるか、がんばり続けることができるかどうか、その、がまんと努力ができるかどうかが、いちばん必要なファクターかもしれません。♭Ξ

A.声を飛ばすために響きを高くしたり、ハミングをしたりと色々なトレーニングを行なうと思うのですが、そのようなトレーニングの前にやって欲しいことがあります。それは単純にオーイと叫んで欲しいのです。まずこれができないと声は飛ばせません。
ヴィブラートやハミングの以前の話ですが、意外にオーイと叫ばせると声が小さかったり声が奥にこもったように聴こえてしまう方がとても多いように感じます。
まず単純にヤッホーでもオーイでもいいので叫ぶ練習をしましょう。そこから響きをつけていったり、しっかりとマスケラで歌う訓練をおこなっていくととても効率的な声のトレーニングになると思います。♭Σ

A.腹式呼吸が、一番大事になります。息の勢いが、必要だからです。体を使って声を出すことができれば、前に飛ばすことができます。意識は、もちろん前に持っていくわけですが、ただ前に意識をもっていくよりも、声の行き先が、直線ではなく、アーチを描くように、声が飛んでいくイメージが必要です。そして、いきなり前に飛んでいくのではなく、後ろに一度いってから、前に声が飛んでいくイメージがよいと思います。
前ばかりに意識がいくと、とてもキツイ声になってしまいます。後ろにも、意識がいくと、奥行きのある声になり、とても、響きます。息が、足の裏から、背中を通り、前にいくイメージが必要になります。イメージが大事で、例えば、ボールを投げるイメージを思い浮かべて、歌うと、それだけでも違ってきます。また、実際に手を使って、足の裏から息が出るイメージで、歌ってみるのも、いいかもしれません。原始的なやり方としては、遠くに人がいると想像して、その人を実際に「おーい」などと、呼んでみる練習もいいかもしれません。響きの面では、あまり効果はないかもしれませんが、体を使って声を出すということに関して、何か、ヒントが得られるかもしれません。♯Ω

A.声を前に飛ばすには、イメージでいくと声の響きをなるべく高いところへ持っていくことです。でも、これはイメージ表現ですので、とてもわかりにくい答えですね。しかし、率直な答えでもあります。声帯を震わせて声を出し、頭部の骨や顔の骨で響きを培養すればおのずと声量も上がります。前に飛ぶ声というよりは、通る声を作るというほうが正しいですね。そして、その声の響きを頬骨や目の間、眉間辺りにより響かせると明るい輝かしい声に近づきます。また、口腔が特に軟口蓋というところが落ちやすい人は声がこもりやすくなります。言葉を前に飛ばすには、子音をしっかり発音する、または早めに準備して少し長めに子音を入れて母音で響かすという作業を丁寧にやると言葉が明瞭に聞こえて、結果的に声が前に飛んでいきます。(♯Δ)

A.声を前に飛ばすためには、「発音を前に出す」という作業をするのもひとつの方法です。その場合、単母音よりも発音を増やして行うと分かりやすいです。例えばマエアオアやマエイオウなど、または発音しにくい歌詞でもいいです。簡単な音型にその発音を乗せて音階練習します。その際、歯を噛み合わせた状態で、歯が離れないようにしながら歌います。歌いにくかったとしても、その状態でなるべくはっきりとした発音になるよう試みてください。「しっかり口を開ける」こととは真逆のようなトレーニングですが、こうすることで発音のポジションがより前に出てくるのです。はっきりとした発音になったあたりで、間をあけずに今度はいつも通りに口を開けて歌ってみてください。力まなくても声が前に出ていく、声が前にとんでいく感覚を得られます。(♯α)