A.Andante sostenutoですから、ゆったりと、速くならないようにしなければなりません。そうしないと、この曲の課題は、とても難しくなるので、注意しましょう。
スラーが細かく付けわけられています。まったく同じメロディでも、スラーを付ける部分が変えられているので、よく見て練習しましょう。
始まりの4小節は、2小節ずつスラーが付いているので、2小節ずつレガートにします。続く4小節はスラーがないので、ノンレガートで歌います。そして、続く始まりの4小節と同じメロディは、4小節全体にスラーが付いているので、途中で切らずに、4小節のレガートにします。スラーの始まりが、8小節目の3拍目、ブレス記号の後から始まっていることを、見落とさないように気をつけましょう。次の4小節は、2小節目の3拍目からスラーが付いているので、ノンレガートで始めて、途中からレガートにします。
続く17小節目からの8小節は、ほとんど同じ4小節ずつのメロディですが、前半は3、4小節目全体がスラー、後半は、2小節目3拍目から、4小節目1拍目までがスラーになっています。ブレス記号の有り無しまで変えられていて、ほとんど意地悪問題のようです。
次の25小節目からの8小節は、4小節ずつの下向音型で、臨時記号も付いた、歌い甲斐のある音型です。前半は2小節ずつのスラーで、スラーの中にブレス記号があり、とても歌いづらくなっています。後半部分も同じ箇所にブレス記号がありますが、スラーは4小節全体的につながっているので、前半と同じように歌ってはいけません。
33小節目以降は、通常のスラーになるので、やっと落ち着けます。37小節目と39小節目のスラーに挟まれた、38小節目のアクセント記号は、音程を外したりしないように、繰り返し練習しましょう。([E:#x266D]Ξ)
A.レガートのための課題です。ただしレガートを意識しすぎて音楽が止まらないようしましょう。曲としてはそれほど長くはありませんが難しい課題です。
8小節のド~#ドへの移行をていねいに、ブレスで体がほどけないようにしましょう。
13、14小節で低い音で落ち着きすぎないよう常に前にすすんで下さい。
24小節のファの音の響きを高く、28小節までは響きを保つことを最優先課題としてください。29小節~32小節も同様です。
33~36小節は全て36小節のレのポジションで歌ってください。ファからレへの跳躍はとても大変ですのでポジションを落とさず徐々にcrescをかけながら上降してください
36小節のレから37小節のミへの移行は間に休符がありますが、テンションや流れ、勢いは絶対に落とさないで下さい。
38小節はアクセントがかいてありますが、これは喉ではなく横隔膜での柔らかいアタックだと思ってください。
([E:#x266D]Σ)
A.Andante sostenutoは、andante(歩くような速さで)のテンポより少し遅くという意味なので、それを考慮すると旋律をレガートで歌うために、かなり横隔膜を保って息をコントロールすることが求められます。息が足りないのにひと息で歌おうとして喉が力むことは避けたいのです。(必要な人は)はじめのうちは提示されている以外にもブレスを増やして練習しましょう。
28~29小節は、8分休符の後で1オクターブ以上の飛躍があるので遅れやすく、喉が上がりやすい箇所です。同様に33~36小節も、タイの後の裏拍が遅れやすく、そのせいで喉を押してしまう傾向があります。この2ヶ所が歌いにくいと感じる人はきちんと部分練習をしてください。
37~40小節は8番の山場と言えるフレーズですが、喉でアクセントをつけてしまわないように、はじめは母音ではなく階名や子音を入れた発音(SaやHaなど)で練習すると安全に感覚をつかみやすいです。([E:#x266F]α)
A.レガートに歌う要素が必要な課題です。しかしながら、最初からレガートを意識しすぎると、音程が不鮮明になったり、本来のレガートな歌唱で必要とされる発声のテクニックを使えない状態で歌うことになってしまう可能性があります。客観的に聞いて、声や音程が「うねる」状態になっていたとしたら、それはレガートではありません。
最初の練習としては、声が硬くならない程度に、少し几帳面にソルフェージュをしているくらいの明確さを意識するとよいと思います。歌いすぎないでシンプルに発音しているくらいの声がよいのではないでしょうか。
ダイナミクスに関しては、後半にpp(ピアニッシモ)が出て、少しクレッシェンドをかけつつも、最後はディミヌエンドで終わっていくので、この部分は相当なテクニックを要します。
前半の部分は、後半の制御に耐えうるように派手になりすぎないボリュームではじめるとよいでしょう。ボリュームのコントロールとバランスを大事にすること、うねらず力まず几帳面に発音すること、そのうえで、スラーをヒントにフレーズのまとまりを大事にすること、クレッシェンドやデクレッシェンドに注意しながら歌うこと、そうするとよい課題になると思います。([E:#x266D]Я)
A.曲の構成としては1~16小節、起承転結の「起」のように同じようなメロディが2回続きます。次の8小節は「承」、同じ調のまま少しだけ音形が変化した部分。次の8小節でcmoll d moll というふうにちょっと複雑な転調を4小節ずつ経て、次の8小節は今までずっと下降形だった音形がはじめて上行形に変化し、12度ものアルペッジョでしめくくられます。最後にコーダ4小節で終わります。
基本的に下降形のフレーズなので、上向形に比べれば歌いやすいのではないかと思います。よく息を流して、3拍子のリズムにのって歌いましょう。1小節を3つにとらずに、円を描く感じで1小節1つにとるといいでしょう。
13小節の4度は下から取るのではなく上から音にアプローチするといいでしょう。19小節目の前打音は素早く歯切れよく歌ってください。25小節からの下降音は臨時記号の音程によく気をつけてください。26小節目の「[E:#x266E]シ」の音が低くなりがちなので、高めに、下降すると思わず歌うのがコツです。29小節目の12度の跳躍は、前の音「ド」をその音のポジションで歌わず、次の「[E:#x266D]ミ」のポジションで歌うとよいでしょう。33小節目~2度、4度、5度の跳躍する音程に気をつけてください。([E:#x266F]β)
A.Andante sostenuto(歩く速さで 音をよく保って)ですが、遅すぎるとフレーズを作るのもブレスも難しくなるでしょう。はじめの4小節が1つのフレーズに聞こえる速さでなければなりません。音が下がってきますが、フレーズは「上向き」ですので落ちてこないように。
一般に音楽は始まってから盛り上がっていきますので、下降音形でも曲のはじめなら盛り上がっていきます。曲の盛り上がりが音の高低に一致してしまう日本人特有の現象を「音高アレルギー」といい、よくないことです。
17小節目「ファー」で伸ばしているときにピアノをよく聞きましょう。伴奏との声の扱い方の練習です。よく支えて張りのある声で伸ばします。
33小節目ppはテンションを下げないように。緊張感が高いところです。8分音符が絶対に遅れないように。書かれているより早めに動いて構いません。
37小節目「ミレドシラソ」で絶対に落ちないように!!その次の小節の頭の低い「ファ」がこの曲の頂点なのです。その後のアクセントは大見えを切るように、時間を使っていいでしょう。リットせずに普通に終わるといいでしょう。二部形式で、はじめのテーマが戻ってこないのも特徴です。([E:#x266D]∴)
A.どれだけ滑らかに声を続けられるかが課題となる曲です。表情豊かな経過音がたくさん出てくるので、滑らかさと正しい音程の両立が大切です。
最初にあえて全てスタッカートで歌ってみて下さい。そうやって体の使い方と音が頭に入ってから、レガートで歌いましょう。
コンコーネはアなどの母音唱で歌う人が多いと思いますが、この曲は階名(ドレミ唱)でもやってみましょう。たくさんの母音、子音が入り混じる階名唱できちんと歌えれば、歌詞のある曲を歌うのに役立ちます。
3拍子の3拍目が粘ってしまうとどんどん遅れてくるので、リズム感が弱いという自覚のある人はメトロノームに合わせて練習するのがおすすめです。([E:#x266F]∂)