A. 声が大きい・小さいといった表現は、とても抽象的で判断基準が難しいものです。声が強い・弱いとか、声が明るい・暗いなどの表現もしかりです。
そもそも一般的な基準もないですし、教室でもあなたの主観的な判断と、聞き手の客観的な判断も当然違ってきます。言葉だけをそのまま受け取り、相手の求める基準に合わせようとしても、あなたが納得のいく声や表現には近づけないのです。恐らく今の段階では、まだあなた自身の判断基準もしっかり持てていないのだと思います。これは頭で決めることではありません。声を出すときの身体の感覚が、自ずとあなたに判断させてくれるのです。
ナレーションなので文章を読む練習は必須ですが、それとは別に「声を出す」ときの身体にフォーカスして、ぜひ基礎的な練習も並行して行ってください。しっかり身体を使って息の流れを調整していけるようになると、単に大きい・小さいの二択ではなくなります。抑揚もより自然になり、ヴォリュームはもちろんのこと声の表現の幅も広がります。