発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.腹からの声を深い声というのだと思いますが、腹式呼吸にすれば出せますか。☆

A.確かにその通りなのですが、イメージとレベルの問題があります。私の使い方では、腹からの声は腹から、つまり体全体から響くような声を指します。腹式呼吸は、それに伴っているとはいえますが、一瞬の声でも出せるし、胸式でも出せなくもないでしょう。…

Q.なぜ、ヴォイストレーナーは、あくびを勧めるのですか。☆

A.いろんな目的がありますが、口が大きく開くことで喉頭の位置が下がる、口蓋垂と軟口蓋が収縮(もち上がり)、口内が広くなる(鼻腔もふさぐ)、舌は、喉頭が下がると舌骨を介して下がります。咽頭が広がり、発声や共鳴、呼吸などによい状態になる人が多…

Q.声がよい人がヴォイストレーナーとしてすぐれているのですか。☆

A.声のことですから、よいに越したことはありません。しかし、竹内敏晴氏のように、使えなかった声を息、体とともに発見していくプロセスを経て、名トレーナーになった人もいます。彼は、私のやり方を肯定してくださいましたが、私もまた、強い息や一言一…

Q.なぜ、世阿弥の「花伝書」「花鏡」などがよく取り上げられるのですか。☆

A.芸事、特に日本の能、舞踏、歌謡において、バイブル的な存在だからです。「秘すれば花」「離見の見」「初心忘れるべからず」など、よく引用されます。この「初心」は、よく誤解されていますが、未熟な芸のことを示しています。時々の初心や、老後の初心…

Q.横隔膜は何で支配されているのですか。☆

A.横隔膜神経というのが、首の斜角筋膜を通り、胸部に入って横隔膜についています。斜角筋は第一、第二肋骨と頸椎との間にはられた筋肉です。吸気のとき胸部を持ち上げます。肋間筋、胸鎖乳突筋も働きます。(♯)

Q.腹筋とは一つの筋肉なのですか。☆

A.腹直筋、横筋、小斜筋、大斜筋でつくられています。腹直筋は腹筋運動で鍛えると割れてみえる、お腹の筋肉です。帯状で腹壁となっています。呼気に使います。(♯)

Q.喉頭は、何に支配されているのですか。☆

A.2本の反回神経です。これは脳からの迷走神経からきています。(♯)

Q.リズムに強くなるためには、どうすればよいのですか

A.好きな曲については、難しいリズムは歌えるはずです。もし、レッスンの課題等で難しいリズムがあった場合は、好きな曲の中に同じリズムがないか探してみてください。教える側としても、この曲のこのリズムと同じ、というような説明をすると、生徒さんも、…

Q.音程や音高(ピッチ)がはずれるのですが。

A.ピッチは、鼻でとるものです。ピッチがとれない音はまずハミングで練習するとよいでしょう。鼻に響きやすく、正しいピッチがとれるからです。また、苦手な音程というものもあると思いますが、それは繰り返し練習するとともに、フレーズの最初から練習する…

Q.発声の際に声が上手く出ないのは、どこに理由があるのか?

A.探求し続ける心を大切にしてほしいです。無駄な力みがあるのか?どこの力みなのか?呼吸の送り方なのか?声帯のあわせ方の問題なのか?開口の問題なのか?母音の問題か?子音の問題か?音程の問題か?共鳴が足りないのか?等等。この微にいり細にいっての…

Q.親密性とは、幼稚性に近いのですか。☆

A.それは、声について、日本の女性特有なこととして、若い声、成熟していない声、浅く、説得力がなく、幼稚な声を多用する傾向のことでしょうか。かわいい声、幼い声、媚びる声、寝起きの声、弱々しい声などは、相手に頼る、自分を預けるような、そこは自…

Q.声質は変わらないものですか。☆

A.声楽の世界でいうと、パートとしてテノール、バリトン、バス。女性ならソプラノ、メゾソプラノ、アルトとなります。日本人は、これは、声域の区分とみているようですが、声域は変えられるので、これは声質での区分なのです。とはいえ、日本人は声域がな…

Q.日本人のテノールには重厚感が足りないのでしょうか。聴きごたえがありません。☆

A.表現力、歌唱力の前にテノールにも声質での違いがあります。重厚感は、劇的、ボクサーでのヘビー級を求めているとしたら、それはドラマティコ・テノールです。日本人にはほとんどいません。テノールには、軽い順に、レッジェーロ・テノール、リリコ・テ…

Q.話す力をつけるには、どうすればよいのでしょうか。

A.私には、さまざまな人の講演を聞いていた時期がある。その頃、不思議に思ったのは、次のようなことだった。 1どうして彼らは、人前で二時間も三時間も話ができるのか。 2二時間も話していて、聞いている人を飽きさせないのはなぜか。 3彼らと同じ話がで…

Q.話すために、何をどう学ぶのでしょうか。

A.話の内容、組み立て、構成・展開、声のトーン、使い方、聞など、話し方には、人それぞれに特色がある。だから、他の人の講演からは多くのことが学べる。多くの人に手本をとると、さらにわかりやすい。そこに共通のルールがあることがわかるからだ。そう、…

Q.話の名人になるには。

A.人前で話す機会も増やし、「話す力」に関心をもつこと。自分の考えを言葉で伝えることは、そのための最も基本的なことであり、最終的なことである。優れた講師や役者たちと出会い、その話を聞くこと。その人の話を通して、その裏にあるもの、その人を支…

Q.日本人の声が弱いとか悪いという根拠はありますか。

A.声量や声域など、これまでにも日本人あるいは日本語のデータとして、いくつか示しています。弱い、悪いというのは、何を意味しているのかで違いますが、日本人、日本語があまり強い声、よい声を必要としていなかったのなら、それを、より必要としたり評…

Q.豊かな人間性がないと、声もそういういい声にならないのでしょうか。☆

A.人間性が声に伝わることはあると思うし、その人の状況や状態が声にみえてくることは、よくあります。それらをみて、私たちもレッスンを組み立てるのです。しかし、すぐれたアーティストは、すぐれた作品を生む出す人たちであって、すぐれた人間性とは関…

Q.オペラのいい声と日常のいい声は違いませんか。☆

A.声域や声量、共鳴、言語、歌唱などで、使うのに必要とされる状況、条件が違うから、そういう点では違うといえるでしょう。 (♯)