発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.認知症は、診断名ですか。

A. 違います。腹痛や頭痛のように、症状を表すのに過ぎません。ですから、原因の疾患があるわけです。それによっては治る認知症もたくさんあるわけです。

Q.認知症とは、物忘れのことでしょうか、それが多くなりますか。

A. それは、健忘症というもので、それだけではありません。認知症というのは、生活障害にまで及びます。後天的に獲得した知能が、脳の器質的障害によって持続的に低下した状態と定義されます。つまり、持続的ですから、一時的ではないということです。

Q.認知症に、音楽は有効なのでしょうか。

A. 認知症での有効性が確立しているのは、運動、なかでも有酸素運動です。歌うことなどはそれに直結しています。懐メロなどでは、回想法として使えます。昔の気持ちを追体験することによって、記憶や心の安定につながるものです。うまく歌うことは、認知刺…

Q.音楽で心を癒すというのは、どの時代から行われたのでしょう。☆

A. 紀元前11世紀ユダヤ王のサウルの鬱状態を、ダビデがハープ演奏で和らげたというのが旧約聖書にあります。日本では雨の岩戸に閉じこもった天照大神の怒りを、歌や舞によって鎮めたことが、古事記にあります。

Q.音楽を聞くことが音楽療法なのでしょうか。

A. それは受動的音楽療法ということで、音楽鑑賞による変化を用います。意図的に精神活動を刺激したり、リラクゼーションにおいて、効果を出すものもあります。歌唱や演奏で、活動的に用いることもあります。

Q.音楽療法というのを聞いたことがありますが、何でしょうか。

A. これは精神および身体の健康の回復、維持、改善という治療目的を達成する上で音楽を適用することと、全米音楽療法協会で定義されています。治療目的にしますから、ただ音楽を聞いて心地よくなることとは違います。デフレーションとも違うわけです。

Q.音楽の能力の高い人は、自閉症の人に多いのでしょうか。☆

A. 音楽の才能では、ウィリアムズ症候群と高機能自閉症(アスペルガー症候群)がよく取り上げられます。ウィリアムズ症候群は、遺伝子7番染色体の欠失で起きる病気です。2万人に1人です。ただし、こうした全ての人が音楽的に優れるというわけではありません。

Q.生理中に声が出にくくなるというのは本当でしょうか。

A. 生理周期が聴覚や発声に影響を及ぼすという報告があります。男性にも、周期的な変動があるそうですが、女性の場合は性ホルモンの周期と関係していて、月経周期後半高温期には、音が高くなる傾向が見出されたそうです。絶対音感においてです。

Q.早熟な子供が、思春期以降、凡人に戻ることは、音楽でも同じでしょうか。

A. 音楽でも、男子の場合に特に能力の低下が1年ということで、テストステロンの影響ではないかといわれています。女性の作曲家が少ないようなことも、関係するのかもしれません。

Q.テストステロンと音楽の能力は、関係があるのでしょうか。☆

A. 男性ではテストステロンが多いと音楽能力は低く、女性では逆になります。もともと、テストステロンは、男性で高く、女性では低いからです。

Q.聴覚と視覚の周波数の捉え方に違いはあるのでしょうか。☆

A. 聴覚は、周波数が分離したまま知覚されます。 視覚の場合は、波形は1つの色に結合されてしまうわけです。赤と緑で黄色が生じます。(671ナノメートルに53 6ナノメートルが混じり合い589ナノメートル。) 聴覚は視覚と比べて周波数の幅が近く、音階は約10オ…

Q.光も音も、物理的な存在で、波なのでしょうか。

A. 光波の波長は数100ナノメートルという、とても小さなものです。 音波は数十センチメートルから数メートルの大きな波でとらえやすく計測しやすいのです。

Q. 歌における音楽に、特徴というのはあるでしょうか。

A. ある程度の長さがあるということで、1音で終わったり、何時間も続くということはないでしょう。音階があること、リズムがあること、人の歌える声域に限定されるのですから、それほど音程が広くありません。原則的には、1つの音しか歌えませんので、主旋…

Q.音楽の定義というのはあるのでしょうか。

A. 完全な定義というものは、できないでしょう。ただ、音であれば音楽であるということにはなりませんし、人にとって不快な音、生理的に嫌な音の連続も、音楽とは言い難いところがあります。ある程度、形式があり、構造を持つものといえましょう。

Q.音楽の演奏家の地位は低かったのですか。

A. ボエティウスは、音楽の研究者をムジチと呼び、真の音楽家としました。演奏者は、カントールと呼び、ランクの低い芸人だったわけです。音楽研究者は、科学者だったわけです。演奏家の地位が上がるのはモーツァルトの時代を待ちます。

Q.音楽は中世ではどう学ばれたのですか。

A. 音楽綱要を書いたボエティウスは、数学にかかるこれらの学問を4学科(クワードリウム)と呼びました。音楽は数学であり、科学だったのです。 中世キリスト教修道院や大学での必修科目としては、自由7科というのがあり、言語に関わる3学科の文法学、修辞学…

Q.音楽が数学とはどういうことでしょうか。

A. アウグスティヌスは、音楽論のなかで、ピタゴラスの音楽哲学を紹介、数学を算術、幾何、音楽、天文学の4つの学問にわけるべきだと述べています。さらに、音楽を正しい抑揚をつけるための科学であると定義しています。

Q.音楽が科学的といわれるのはどうしてでしょうか。

A. ギリシャ時代からずっと音楽は、科学で扱われていました。数学の一部門でもあったわけです。ですから、科学者が音楽を研究していました。

Q.なぜ現代の時代において、みんな音楽に浸るのでしょうか。

A. もともと音楽は、楽しんだり、癒されたりするために使われていたものですから、ストレスが原因です。音楽に依存するのは、中毒ともいえます。

Q. 今の音楽やクラシックが特殊なものなのでしょうか。

A. 確かにみんなで楽しむのが音楽だとすると、イヤホンで自分だけで音楽を聴くのは、かなり特殊なことです。クラシックも、座って静かに聞くというのも特殊です。むしろ観客が共に歌い踊るようなポップスのライブの方がしぜんでしょう。

Q.音楽は、個人として誰でも楽しめるようになったのはいつ頃からなのでしょうか。

A. CDが誕生したのが1982年、ウォークマンが1979年、カセットテープは1962年です。 それ以前は1877年エジソンが蓄音機を発明してから、レコードの時代が続きました。

Q.音楽を見れば社会がわかると思うのですが、今の音楽の種類は、何なのでしょう。

A. 一言でいうとポップスといわれる欧米発祥の音楽です。メロディ、リズム、ハーモニーの構造をもっています。いうまでもなく、クラシック音楽の流れです。効率と合理的な個人主義を表しています。

Q.音楽に対する人の好みに社会的な影響はあるのでしょうか。

A. もちろんあります。あまり積極的でない子は、ロマンティックでハッピーな曲を好み、経験豊富な子は、喪失感がある曲を好むという調査結果もあります。

Q. 音楽と社会との関係について研究した人はいますか。

A. 音楽と社会の構造との関係について言及したのは、ローマックスです。世界の233の文化の3千曲の歌をリズム、メロディ、歌詞など37の要因で分類しました。社会形態と結びつけたのです。