12.表現/オリジナリティ
A.外国人に霜降りやしゃぶしゃぶのよさが伝わったのは最近のことです。あごの力の強い外国人は、固い肉を好みますが、日本人は、スペアリブなどは好まず、テンダーなレア、または、ミディアムを好みます。 音楽、歌、せりふも、似た傾向があるのでしょうか…
A.繊細、ていねい、やさしさ、細やかさは、どんな一流の作品にも問われますが、インパクトやパワーは、日本では、さほど問われないようです。むしろ、最近は、問わなくなってきたどころか、嫌われつつあるといえるかもしれません。
A.三波春夫が、初めて歌舞伎座公演をやったときに、「それまでは、映画館などでしかできなかった」といった説明がありました。当初は、映画は、芸術に値しないような地位だったのです。
A.技術とフォームの習得で、合理的に美しい音色を出すだけで、プレーヤーもシンガーも認められるからでしょうか。聞こえているのは、音や声とことばにメロディだけのことが少なくありません。 声の美しい人によい歌手が多いのは当たり前ですが、日本以外で…
A.ヴィジュアル系とは、日本独自の存在で、キャバクラ文化、ホスト文化と述べたのは、中野信子ですが、今の音楽シーンでは、確かにそう言えなくもありません。
A. 「本来感」といわれるものです。自分の価値観をもち、自分がどんな人間なのかを知っていることです。そして、自分の欠点、嫌なところにも対峙できていることが、その条件です。
A.感じ方は人それぞれ、そこは個性です。表現は人と関わっていくもので、人と一緒につくる段階があるのです。そこで期限を決め、一定のものを切り出します。評価は、後からつきます。
A. 作品があればよいのでは。説明したいなら、多様性、異文化、そして、ことばに親しむことです。他人を理解できる力を身につけてこそ、他人に説明できるようになります。説明できる人をみつけるにもよいと思います。
A.仕事であれ、表現であれ、人と一緒に行うものは、大体、制限があるのです。そこまでに何らかの合意を形成し、ときに妥協した上で、できるだけ最高のものをつくることが求められます。足りても足りなくとも、精一杯やるだけです。
A.全員一致とか多数決で決めたらよいと思ってしまうのは、おかしなことです。それは、全員合意での全員の責任放棄です。私には、失敗したときの言い訳づくりにみえます。よいものをつくるのに、話し合って決まることがないときも多いし、その必要がないこ…
A.何でもよいわけではないのです。大半は奇抜なだけで終わります。そこに根拠がなければ、それは、ただの遊びにしかなりません。でも、続けていかないと、みえないこともありますので、チャレンジしてください。
A.人を楽しませるのですから、アホになれることでしょう。賢い人のすばらしいことばを聞くと、勉強になるし、尊敬されるかもしれませんが、楽しくはなりません。楽しいのは、一緒にアホなことをしたりみたりするときです。
A.センスには、才能のようなところがあります。スキルは、努力次第で身に付きます。センスがゼロでは問題外ですが、そこが足りなくても、時間をかけて、努力で得たスキルは活かせるはずです。
A.あなたの解釈と創造で強みが出せるようにアレンジしてください。それを実現していく力、歌唱力、演技力と結びつけて表現してみてください。そこをみています。
A.自分の強み、売りを知っていくことです。もちろん、たった一つしかできないのでは、なかなか難しいので、広さや器用さも必要ですが、それは必ずしも有効ではありません。自分の本質を知った上で、本当に勝負できるものを磨き尽くしていくことです。他は…
A.構成、展開面でみると、大半は起承転結がベースです。何かが目的に向かって進んでいくとき、それを妨げるものが表れます。それが転です。つまり、ドラマチックとなるところです。 対立するものがあり、それを打ち破ったり乗り越えたりして進んでいくので…
A.悲しいことを表すのに「悲しいです」と言っても仕方ないでしょう。感情は、そこにいられない、動き出す、何かを投げる、手を握り締める、などといった具体的な行動や表情で示されるわけです。それは、プロセスで次々に変わっていくものです。感じたこと…
A.誰が、いつ、どこで、何をしている、この4つを、まず、しっかりと押さえておくことです。すると演技にはなります。しかし、「別れた」から「悲しい」とみせるとすると、別れたのは過去で、悲しいという今の感情の理由、動機にあたります。しかし、演じる…
A.リアルにしていくのですから、演技、演出は過去であっても、先を読み込み過ぎてもいけません。一つのことば、一つのメロディを起こして再生するのです。悲しいからと最初から涙が出ていたら、もう終わってしまっているわけです。
A.「どんな声にでもなれる」という人もいます。確かに、今は、音響効果で加工もできます。 しかし、そうすると、声は本来のパワー、その人自身の力を発揮しないのです。プリミティブな力、オリジナリティこそが、表現の力なのです。 流行に合わせて、デジ…
A.私は、ぶりっこ声やカラオケ声とでもいいたいような、まね声をあまりよく思っていません。声は生まれつき、それぞれの固有の体に備わった楽器です。生理的に正しく磨いたり鍛えたりしていくと大きな可能性があるのと同じく、決めつけて限定していくと限…
A.声は一人ひとり、違っています。誰も同じ人はいないのです。ですから、人と違っていても、気にする必要はありません。それは個性です。高い声の人も低い声の人もいます。太い声の人も細い声の人もいます。問われるのは、自分に与えられたものを最大限に…
A.第一に自分の特性を知り、それに合った能力を開発していくこと、第二に社会的ニーズを知り、それに柔軟に対応できるようにすることです。
A.いえ、ハスキーな声と歌のうまさに、直接の関係はありません。どんな声でも、ポピュラーな歌となると、その基礎はメロディ、リズム、ことば(発音など)ですから、声そのものはあまり問われないこともあります。マイクや音響効果を使うからです。 しかし、…
A.アーティストは、総じて、長命というよりも、命あるかぎり全力で挑戦し、生を燃焼し、作品に昇華していくのです。寿命は、天命の定めるところかもしれません。なかには短命な人もいます。しかし、死ぬまで目的を持ち、それに挑み、その結果、若々しく生…
A.あるプロの歌手でウィーンで歌っていた方に聞いた話です。 「歌手とは、歌を歌う人ですがそれと同時に、俳優でなければなりません。その詩に込められた情景や、人物の描写を演技をすることを通して表現するからです。そしてさらにもう一つ、『楽器職人』…
A.今の心境をダメと捉える必要はなく、ありのままを受け止めていいのだと思います。東日本大震災のときもそうでしたが、こんなときに歌う気持ちになれない、練習する気分にならない、といった声はレッスンでも多く耳にしました。ただ、一方で知人友人から…
A.個性とは、人にどうみられるかということです。そのためには、人がどうみるかという目を養うことです。 個性として、その人に向くことなどは、人が決めていくことが多いのです。自己申請や自己評価ではなく、外からの評価です。他人が自分を規定していく…
A.誰にとっても、自分自身と周りの人との感覚にギャップはあるものです。この感覚のギャップには、大ざっぱに分けると二種類のタイプがあると思います。歌で言えば、普通に表現しているのにやり過ぎだと言われる人と、もの凄く表現したのにその3,4割くらい…
A.動画の強みは視覚的効果です。視聴者には目からの情報が入ることで、良かれ悪しかれ、発音発声の細かな点はそれほど厳密には気にならなくなることと思います。発音や声にコンプレクスがあっても、視覚的な情報が多くを占めるため視聴者の意識は分散され…