発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2413.表情がないと言われます。表情をつけるためにはどうしたらよいのでしょうか。

A.「表情を鍛える」まずは表情を豊かにするために、顔のトレーニングをしましょう。顔の表情を自由に動かせるように練習しましょう。
まゆ毛を上下に、目の開閉、口の開閉(母音別で口の形を大きく作る練習もしましょう)、ほほを上下に、顔全体を開く、閉じるの繰り返し。これらの練習をしていきましょう。すべて大きく大きく動かしていきます。また顔をマッサージした後や、お風呂の中でやると、より効果的です。

 次に、自由に動くようになった表情に気持ちをつけていくのです。表情だけ良くても気持ちがなければ、おかしな表情になってしまいます。セリフをしゃべる前に、まずは喜怒哀楽で表情を作ってみましょう。「喜」「怒」「哀」「楽」それぞれに対して、自分ができるかぎり大げさな表情を作ってみましょう。普段そんな表情はしないというぐらいに、大きな表情を作ってみましょう。そしてその大きな表情に気持ちをつけていきます。たとえば「喜」だったら、大きな喜びの気持ちになったうえで、「喜」の表情をしていくのです。4種類の表情をトレーニングしていきましょう。
また大きな表情ができれば、細かい小さな表情もできるはずです。つまり大げさな大きな気持ちから、繊細で小さな気持ちまで、幅広く表現できるようになり、表情も幅広くなってきます。
「気持ちを出す」「表情を鍛える」と「気持ちを作る」の2つのトレーニングを重ねていき、そのうえで、自分の思いというものを、もっと外へ出していくのです。何を言いたいのか。何を伝えたいのか。具体的にはっきりしていれば、その気持ちが表情にも出てくるはずです。表情に出てこないのは、思いを作らずに、思いを出すという意識が少ないからです。伝えたい思いをどんどん出していけば、必ず表情は豊かになってくるはずです。

 上記の3つのトレーニングを積み重ねていきましょう。徐々に表情が出てくるはずです。
そしてなにより大切なことは、客観的な視点です。自分ではできていると思っても、意外とできていないものなのです。自分では笑っているようでいて、実は笑顔になっていないということはよくあります。鏡でチェックしたり、ビデオに撮ってみたり、人に見てもらったりして、客観的に直していきましょう。客観的に見ていくことは、自分の欠点が突きつけられるという意味では、少し辛いことではありますが、人前に出て表現をしていく以上、避けられないことなのです。