発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2984.セリフの稽古をしているのですが、なかなか気持ちが出てきません。自分としては込めているつもりなのですが、どうしたら気持ちが出せるようになりますか?

A.まずはテンションを高くすることです。まだまだ普段の自分の気持ちの振り幅でしか、テンションを上げることができてきません。もっともっと高くしてよいのです。やりすぎぐらいでちょうどよいと思います。やりすぎて、自分ではおかしいなと思っても、舞台上ではそれが普通だったりします。舞台では、日常のテンションのままではだめなのです。大きく気持ちを作り、大きく構えていることが大事なのです。
またテンションをあげるということがわからないのであれば、一所懸命にやることです。一所懸命にやっていくうちに、テンションも必ず上がってきます。このようにテンションを上げることは、演技をする前提としてとても重要なことです。
その上で、もっともっと感情解放していくことが大事です。羞恥心を取り除いたり、人の目を気にしないで自分に集中したり、もっともっとおおらかに、自由な気持ちを取り戻していきましょう。こうした感情解放ができれば、もっとセリフに入っていくことができ、役になりきることができます。
先日、TVである女優さんがインタビューを受けていました。「憑依されているわけではなく、そこに入っていく」というようなことを言っていました。また「お芝居はとても楽しい」とも。感情解放ができていれば、楽しいという感情ではなく、悲しいという感情であっても、そこに入っていければ楽しいんだと思います。感情解放している状態が楽しいのです。
また、そこに入っていくのですが、完全に自分を見失っている状態ではなく、客観的な自分もいながら、気持ち的には、いってしまっているのです。こうしたことは、心が解放されていない状態ではなかなか感じることができません。最初は難しいかもしれませんが、テンションを高くし、一所懸命に、そして感情解放していく過程で、徐々に気持ちは出てくると思います。
またそのためにも、セリフを覚えてしまうこと、そしてそのセリフの裏にあるリアルな気持ちをつかむことは大切になってきます。