発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4093.声量はどのようにつけていくのですか。(6)

A.まず初めに声量は個人差があります。個人差というのは、体はひとりひとり違うということです。持っている声帯、骨格、筋肉すべてが異なります。ですから、同じ練習方法をやっても凄く大きい声が出る人と、出ない人の差が出るのです。
しかし、人それぞれの楽器(声帯)を生かした発声方法を身につければ、個体差はありますが声量はつけることが出来ます。
もともと地声の大きい人はいますが、声量を上げるうえでもっとも大切なことは、効率よく声帯の振動をさせて、それを体の骨(肉体)を反響版のように使い響かせることです。この体全体を響かせて歌うことを、体を使って歌うというような表現をします。
特に、声を響かせるべき場所は体の一番硬い部分、そう。骨です。骨の中でも、頭の頭蓋骨や頬骨の辺りの大きい断片、背骨、胸部の骨などをうまく響かせることです。そのためには、体全体の筋肉をリラックスさせること、効率よく声帯を振動させるための呼吸法、響かせやすい頭の位置などなど…。研究しなければならないことは沢山ありますが、スポーツ選手のようにご自分の身体を良く観察していくことで、体感できていけるのではないでしょうか。
声の響きを意識しすくなる練習方法は、ハミングです。それも大きい声ではなく、力を抜いて声の響きの中でもスイートスポットのような声が響きやすい場所を、ご自分で見つける作業をしましょう。これは、地味でとても根気の要る練習方法ですが、私が今まで練習してきた中で、声の響きをつかむ中では大変効果の高い重要な練習方法です。それで、少し声の響きが感じられたら、次はその場所から声の響きをはずさないで、ロングトーンの練習をしましょう。母音は『み』などの鼻空にかかりやすい母音を選ぶとより効果的です。
(♯Δ)