発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4311. 深い声を出すには、どういうトレーニングをしたらよいのでしょうか。たとえば、滑舌をよくすることや、舌を鍛えること、顔の筋肉を鍛えることで、声が深くなったりするものなのでしょうか。(9)~(11)

.深い声とは胸で吸った浅い息のみで出す声、口先だけの声又は喉声ではなく、下半身を落としてしっかり二本の足で立ち、下腹、つまり腹式呼吸で吸った深い息を使って出す声です。プラス舌根をさげて喉の奥を開け、そこを通ってくる息が響きとなり出てくる声だと思います。口の中や自分の顔、頭蓋骨に響いてくるような声です。腹式呼吸を使って声を出すことができてくると、声質に関係なく声は深い声になります。滑舌をよくしたり舌を鍛える、顔の筋肉を鍛えるより先に、腹式呼吸をマスターし深い息を吸って声を出せることが先と思います。(♯γ)

 

.深い声=太い声とは先ず思わないでください。

もちろん思っていないなら問題ありませんが、野太い声を深い声と思って、喉を鳴らし続けることは非常に危険です。声帯に問題が起こるようになってきます。

本当の深い声というのは、響きにのった共鳴する声(倍音が何十に聞こえたりする)です。響きをつかむための訓練をする過程でいったん声が細くなったように感じることがあるかもしれませんが、それはむしろいい傾向です。その細い声で歌えるところから、少しずつ息の量を調整し、支えを強くし深みを出していくのです。

響きをつかんでいく過程で滑舌をよくすることや、顔の筋肉を鍛えることは必要になってきます。ただし、正しく鍛えることが必要不可欠です。ほとんどの日本人が、顎や喉に力の入った状態の発声を日常的に行っています。滑舌、顔の筋肉を鍛えることの双方とも、正確な発声法にのっとった上で鍛えることが重要です。(♯Ж)

 

.深い声にもいろいろあると思うのですが、舌を鍛える必要はないと思います。顔の筋肉もあまり関係ないと思います。舌や顔の筋肉はリラックスした状態がよいでしょう。

声を深くするためには体を開いて喉をリラックスさせることが大切です。体を開いた上で適切な呼吸が送られてくればリラックスした喉は深い部分で振動することができるので結果的に深い声がでることになるでしょう。

深い声と低い声は違うのですが、低い声の時は深い部分に声帯がないと出ませんので自然と深い声になっているでしょう。舌の筋肉で故意に作った声は深くならず喉声になってしまうので、美しい声とはいえないでしょう。(♭Ш)