発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4309. 深い声を出すには、どういうトレーニングをしたらよいのでしょうか。たとえば、滑舌をよくすることや、舌を鍛えること、顔の筋肉を鍛えることで、声が深くなったりするものなのでしょうか。(1)~(4)

.良いメソードで出すことを覚えてそれを反復していくことができたら、自然と声は深くなっていきます。どうやったらボールを遠くまで投げられるでしょう?という質問と同じだと思います。ボールを遠くほおる練習は、理にかなったフォームを身に付けて力まないことでしょう。ある意味、深い声を出したいという欲求は持たない方が懸命です。そう考えて、自分の耳に声を届けるように声を出す人がとても多く見受けられます。声は、人の耳に良い声で届けるものです。運がよければ深いような声はでますが、本当の声とは似て非なるものです。

また、滑舌はよいメソードを得ることができると自然とよくなりますし、滑舌が良いということは、フォームが良い、すなわちすでに深みのある声をもっていることでしょう。舌を鍛えること、顔の筋肉を鍛えること、は、それ単体で行っても全く効果はありません、むしろ硬くなって発声に悪影響です。発声する中で連動して動くことがもっとも大事です。(♭∀)

 

.「横隔膜を下げて」とか、「丹田から声を出す」とか、初心者には、ちょっと手におえない方法もありますが、ひとりで練習するには、「脱力して喉を下げること」、「胸から声を出すこと」、をこころがけて無理のない範囲・不自然でない範囲・喉に負担のない範囲で、トレーニングすることが、時間はかかるかしれませんが、もっとも安全でしょう。

「深い」という意味を、もっと広い意味でとらえると、高音域の得意な歌手にとっては、声が伸びやかで詰まりがない声とも解釈され、発声器官全体の上部が伸びやかに広がった状態も、それにあたるのではないかと思います。そんな声を目指すには、文字通り、「中を広げること」が、大切になってくるでしょう。

「滑舌をよくすることや、舌を鍛えること、顔の筋肉を鍛えること」をアプローチの方法とするというのはあまり聞きませんが、そのような手順から進めるというのもあるのかもしれません。(♭Ξ)

 

.大事なことは深いブレスを吸うことでのど仏を下げ、喉を開けることをトレーニングすることです。それができないと喉もあがったままでどうやっても深い声はでてきません。胸郭を広げ横隔膜をしっかりとつかわなければ深い声というものは生まれてこないでしょう。

滑舌や舌を鍛えるトレーニングは、どれも声を深くすることと直接的に結ばれているとは思いませんがトレーニングとしてはやったほうがいいです。いろんなことを試していくうちに結果として深い声になっていく可能性も否定できないからです。

私自身は胸声の強化というのも外せない訓練だと思います。これは男女問わずです。日本人は基本的に浅い声の民族ですがイタリア人でさえもっと深くといわれたりもっと陰影をつけてというレッスンを受けるそうです。イタリア人よりも声が浅い我々が深い声を出す訓練をしなくていいわけがないと私は思います。(♭Σ)

 

.口の中が開いていることが大事です。口の中を開けるには、まずイメージが大事です。口の中に卵がたてに入っているイメージ、舌の上に飴玉を乗せながら歌う感じ等、イメージを持って歌ってください。

また、右でも左でもいいので、ほっぺに舌をくっつけながら歌うと、口の中が広がります。ただ、口の中をただ何も考えずに開けるだけでは声が深くなるというよりは、太くなりがちです。この、声が太い、というのと、深いというのを、取り違って思っている人がいます。太くならないためには、響きを常に、鼻にあること、鼻からはずさないことが大事です。口を開けてはいますが、軟口蓋を意識して歌うことが大事です。

レーニングの仕方としては、滑舌を良くすることは大事です。舌が上がらないように鍛えることも大事です。顔の筋肉も、いつも頬が上がっているように、笑顔で歌えていることが大事です。すると、軟口蓋が上がり、口の中の空間が広がります。そして、目で歌う感じで歌えると、口の中が広がります。(♯Ω)