発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4419.ベルヌーイ効果とは何ですか。

.声帯の一連の動きには、声帯自体のもつ弾性とともに、ベルヌーイ効果が働いています。これは簡単にいうと、シャワーを浴びると、カーテンが水に引き寄せられる原理です。つまり、柔軟な声帯粘膜は、圧力の差で動くわけです。

流体力学でのベルヌーイ効果は、流線型の物体が、気体、液体で、推進力を増すという原理です。

例えば、翼は、横断面で上の方が長く、下が短いために、上面がふくらんで気流が遅く、下がまっすぐで速く気流が流れるようになっています。そこで浮き上がるのです。

声門の狭いすき間から呼気が勢いよく流れると、まわりの圧力が小さくなって(これが、ベルヌーイの原理です)、声帯の持つ弾性で声門が閉じます。そこで、再び呼気の圧力が高まると声門が再び押し開けられて呼気(声)が出ます。

声という波と息の流れとは、違います。息は匂いますが、声は匂いません。風上に息は伝わりませんが、声は伝わります。

(ちなみにベルヌーイは18世紀のスイスの数学者・物理学者です)

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