A.声帯の一連の動きには、声帯自体のもつ弾性とともに、ベルヌーイ効果が働いています。これは簡単にいうと、シャワーを浴びると、カーテンが水に引き寄せられる原理です。つまり、柔軟な声帯粘膜は、圧力の差で動くわけです。
流体力学でのベルヌーイ効果は、流線型の物体が、気体、液体で、推進力を増すという原理です。
例えば、翼は、横断面で上の方が長く、下が短いために、上面がふくらんで気流が遅く、下がまっすぐで速く気流が流れるようになっています。そこで浮き上がるのです。
声門の狭いすき間から呼気が勢いよく流れると、まわりの圧力が小さくなって(これが、ベルヌーイの原理です)、声帯の持つ弾性で声門が閉じます。そこで、再び呼気の圧力が高まると声門が再び押し開けられて呼気(声)が出ます。
声という波と息の流れとは、違います。息は匂いますが、声は匂いません。風上に息は伝わりませんが、声は伝わります。
(ちなみにベルヌーイは18世紀のスイスの数学者・物理学者です)
(♭ф)