A.声は、はらわたから絞り出します。はらわたは、口の奥のえら、
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サメでは鰓裂での鰓呼吸で、そのエラ孔は、人の喉に名残を留めています。鰓孔を動かす筋肉が、人では顎から下がくびれて、喉仏になりました。喉頭筋も、咽頭から口腔にかけての筋肉も、すべて鰓の筋肉です。
蛙は顎の筋肉として、膨らませて呼吸していますが、頸の全面の筋肉の一部が落ち込んでできたのが横隔膜です。これは、体壁筋のなかで、初めて呼吸のためにつくられた吸気のみ、周囲の筋肉の収縮で中央が沈む、というのが、三木成夫氏の説です。そこから彼は吸気の緊張の解放としての呼気=発声、おしゃべりや歌唱という論へ進むのです。