発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.朗読は、教育に入ってないのですか。

A.昔は、本を読むということは朗読でした。少なくとも、寺子屋や藩校では、大きな声を出して読んでいたのです。古典や漢文といったものを入れたのです。武士には謡曲、庶民には浄瑠璃でした。それに替れるのは、戯曲くらいしかないのに、今の国語の時間で…

Q.チンパンジーは、なぜしゃべれないのですか。

A.喉頭の位置が、人は第四頸椎から第七頸椎、チンパンジーは第一から第三頸椎、人は低いところにあるので、その上に位置する口(口腔)から声を出せます。しかし、チンパンジーは上にあるので鼻から抜けます。ちなみに、生後間もない人の赤ちゃんは、喉の…

Q.正しいことは、実際にみることでしかわからないのではないですか。

A.すべての人がわからないとは言いません。いつも別枠で天才という存在を私は考えています。しかし、ほとんどの人は、実際にみても自分の見方でみている、自分の見方でしか見られないのです。だからといって、トレーナーの方が正しいとは言いません。 例え…

Q.天才とは何ですか。

A.私が接したなかでは、多くの人が10から1しか学べないなかで、1から100を学べ、さらに0から1をつくれるような人です。他の人が不可能と思うこと、あるいは、1万くらいの努力の結果に思えることを100の努力くらいで成し遂げている人でしょうか。また機会を…

Q.感情の表現は、生理的現象ですか。☆

A.咳、笑い、泣く、怒るなどは、生理的なことと結びついています。一方で咳が「ゴホン」と擬音語で聞こえたりするのは、言語文化の影響下にあります。笑ったり、泣くことでは、さらに言語に近い役割を担っているようです。人になる前に、予めもっていたも…

Q.現場だけでは学べないのですか。☆

A.極端にいうなら、社会人になるには、家庭と仕事場だけでよいのに、なぜ学校に行くのかということでしょう。大学が社会で働くためのビジネススクールになってきているのを私は嘆いています。私にとって大学は、まったくすぐに役立たないものを学べるとこ…

Q.なぜ、現場を離れて、レッスンの時間をとるべきなのかわかりません。

A.現場でOK、完璧というなら、それでよいのです。そこで満足できないのなら、あるいは、さらなる高みを目指したいのなら練習をしますよね。練習こそ、現場での経験を一時、棚上げにして、切り離して、本当の上達のために行うのです。例えば、バッターで…

Q.現場のことで精一杯、そこで充分に学べていると思います。

A.それなら、レッスンにいくと、さらに大きく学べると思います。(♯)

Q.声を出すウォーミングアップ方法はどのようなものがありますか。

A.みんなそれぞれだと思います。私も時期によって変わってきていますし、調子によっても変えます。今回は最近のウォーミングアップ方法でうまくいっているものがあるのでお知らせします。呼吸のみでのウォーミングアップの時間を長くとるようにしています。…

Q.東京で学びたいのですが、出られません。

A.どこでも学べるのですが、一度だけはいらっしゃることをお勧めします。あとは、不便、不自由な環境だからこそ、学べることもたくさんあります。イマジネーションを一緒に育てていきましょう。人は抑圧されたときに、もっとも深いものを学べるものです。…

Q.ヴォイトレをレッスンに行かずに学べるのですか。☆

A.レッスンの場としての経験は得られませんが、どのように経験していくのかは、ある程度、伝えられると思います。経験しか力にならないのも確かですが、どう経験するかこそが大切なのです。(♯)

Q.ヴォイストレーナーに、舞台の経験はどのくらい必要ですか。

A.どのくらいはともかく、少しでも舞台の経験があるのとないのとは、大きく違うといえます。私は、歌唱も舞台も毎日そこに出演している人の何千分の一しか経験していません。しかし、彼らの学ぶべきことをもっています。誰よりもヴォイトレの場にいたから…

Q.心身について、どんな分野の専門家と関わっていますか。☆

A.語学や科学、音楽、音響の専門家、医師を別にして、ヴォイトレに関わることで述べますと、アレクサンダーテクニック、フェルデンクライス、ロルフィング、理学療法など。より専門的になると、鍼、アーユルヴェーダ、カイロプラテクス、指圧、マッサージ…

Q.音楽も芝居もスピリチュアルなものと思うのですが、ヴォイトレは。

A.あまりその方向に行くべきではないと思います。理性的な範囲での実践、実証があってこそのものです。トレーナーから離れてなら、一個人として、感性、悟性、そして、霊性に入るような人もいてもよいとは思いますが。(♯)

Q.漢方的なヴォイトレというのは可能ですか。

A.漢方は、長年の経験で伝承されてきたものです。漢方薬も生薬で、どこで、いつとれたかで効き目が違うし、一人ひとりに違う処方をするので、効果の検証が難しいものです。そこは、対処療法の西洋医学とは大きく違っています。しかし、欧米でも個人の病気…

Q.「最初から自分で判断するな」と言われました。☆

A.判断は、独りよがりなものになりがちです。その人の経験や考えからきているものだからです。それでうまくいかないのですから、判断しない。練習のなかで、これまでの判断とは、異なる反応、これを反射と言うことがありますが、で置き換えていかなくては…

Q.上体のリラックスのために、腰を定めたいのですが…。

A.腰を据えるとか定める、固める、これは、「腰を落ち着けて」というのと似て、よい意味で使っているのでしょう。人が立つのは一歳頃、どこも柔らかくぐにゃぐにゃしている体が3ケ月で首がすわり、5か月で座るようになり、ハイハイで首が上がるのが6ヶ月く…

Q.ヴォイトレにも欧米流と東洋的なものがありますか。☆

A.声楽での発声を中心に考えると欧米流、元々は西欧ですが、アメリカも大きな成果を挙げています。それに対し、それ以外の音楽では共通した流れはないので、東洋的というなら心身のケアから入るヴォイトレといえるのかもしれません。日本においては、前者…

Q.教えられたことができません。☆

A.私は、教えられたことができなくても大したことではない、その人の目的や結果が出ればよいのであり、そのために絶対に必要な技術や条件など、大してないと思っています。ただし、マニュアル仕事と同じで、その人に、表現力も声としての魅力や実力もない…

Q.武道と舞台との違いは何ですか。

A.武道といっても生死を賭けた真剣勝負でない限り、試合や演武などは舞台と同じと思っています。真剣勝負は、手のうちも姿も考えも呼吸もすべてみせない、みせたら不利、見切られたら負けです。舞台はみせるわけです。共通するのは、見られているという自…

Q.なぜ、手本を見てもわからないのですか。☆

A.見てわかるのは形、聞いてわかるのは音、共に表に出ているものです。形は、状況に応じて千変万化します。その一つを捉えて、自分に移し替えるのでなく、見てもみえない、聞いても聞こえない、何かしら共通にあるものに感じて得るしかないということです…

Q.唇はキスのためにあるのですか。☆

A.動物では人間ほどはっきりしていないのが唇ですが、これは、食べるときや発音にも大きく関わっています。元より、センサーとしてのひげの機能がなくなったのを、唇が代行しているとも考えられています。赤ちゃんがもっとも働かせているのが唇です。唇は…

Q.水の補給と唾液の関係はありますか。☆

A.人は、一日に1.5リットルほど唾液を出しているので、そのくらいは補うことでしょう。とはいえ、体内でのことです。多くの水分は、発汗や尿で失われています。唾液は、3つの大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)から出ていますが、そのうち0.5%が粘液物…

Q.胸を上げるということについて、やりにくいのですが。☆

A.胸というので意識するのは、真ん中の胸骨でしょう。これは簡単には動きにくいので、前後、上下と分けて試してみてください。胸骨を上げると骨盤との間が広がります。胸部や脇の下が伸ばされるわけです。骨盤が定まることで、足裏に体重がスーッと落ちて…

Q.子音の練習法を教えてください。

A.母音の勉強はまず大事ですが、子音の難しさに目を向けることは案外少ないですよね。いくら母音の共鳴変化が上手になっても何故か歌を歌うとうまくいかないと思ったことありませんか?日本語の子音は摩擦がとても強くなりがちなので、舌根も硬くなり、また…

Q.笑顔をつくることができません。☆

A.自分の意志で笑顔をつくるのは、人でなくてはできないようです。30ほどある表情筋のうち、大頬骨筋(だいきょうこつきん)を収縮させ、眼輪筋で細目にして、眼尻に笑いじわをつくってみましょう。というのは、考えずに。笑ったとき、笑顔になったときを…

Q.喉頭を下げることの意味は。☆

A.他の哺乳類では、喉頭が上がって鼻腔の後ろあたりにきているため、声が鼻に抜けてしまいます。咽頭が狭く、舌も自由に動かせません。人は直立歩行で背骨が頭部の中央に寄って、頭が首の上にのったため、喉、鼻、口、顎が引っ込み、平たい顔になって喉頭…

Q.読唇術は、誰でも使えますか。☆

A.誰でもかどうかはわかりませんが、人は耳だけでなく、目で唇の形をみて音を判断しています。有名な「マガークとマクドナルドの実験」があります。例えば、「Ba」の発音で「Ga」の口形をみせると「Da」に聞こえるとか、音によっては視界が優位になるので…

Q.肛門を意識的に締めて歌うとよいのですか。

A.括約筋が、骨底盤やインナーマッスルと絡めて誤解されているケースがあります。お尻の括約筋には、内肛門のと外肛門のがあります。意識的に動かせるのは外肛門の括約筋です。それで動物にはできない排便の時間などをコントロールしているわけです。しか…

Q.鼻腔空間が広くないと、うまく共鳴しないのですか。

A.鼻腔は、鼻のなかで乾燥した空気、冷たい空気を湿し温めるためにあるのです。ですから、一般的には、寒いところの人は鼻が高いし、鼻腔も広いのです。鼻の低い民族が、うまく歌えないとか響かせられないでしょうか。(♯)