A.歌い手は、いつの時代でも預言者です。私には、画家やデザイナーよりも、音やことばを扱う音楽家、歌手、詩人は、その先を行くように思えました。売れなくてはいけないというなかでは半歩先に止まり、つまり、わかりやすくなった分、よくなくなりました。
「歌は世につれ世は歌につれ」で、同時代でということですが、そこは主に歌詞です。世の中の動きに伴った歌ができ、ヒットすると、世の中の人が、それに皆、のる、トレンド、ブームの作り手だったのです。
ヴォイトレも、未来という先に対してデザインして修正していくのです。あるときから、私にとって、歌い手よりもヴォイトレの方が先取した仕事、クリエイティブに思われ始めました。それゆえ、一つの世界観ができてきたのだと思います。[E:#x2606]