A. 世界では、声のことに、それほど悩んでいる人はいないし、あたりまえのように使いこなされています。ところが、日本では、日本人自体が声に出して主張したり、声を張ることをよしとしませんでした。そのためか、国際化が進むにつれ、いろんな面で問題が起こっているのです。オペラに限りませんが、声で世界進出できないのも、そのためでしょう。
それゆえ、マイナスのところから見て、人間の発声の原点から始められます。それは欧米の研究よりも根本的なことをとらえることができるのです。研究において、その分野が始まった初期から見ることができたのは、最も好ましいことと思っています。