発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.水商売の人の声が、低くハスキーなのに憧れます。

A. お酒が原因で、喉が荒れてしまっている人もいます。飲んでいて、話したり歌ったりすることが多いと、そうなりやすいのです。職業病ですから、あこがれてもまねないことをお勧めします。その声では、声量、声域に不利になりやすいからです。

Q.お酒を飲むと、血流がよくなって歌いやすくなるのではないですか。

A. もちろん、血流はよくなりますが、実際には、水分を奪っていくわけです。喉が渇くのがその証拠です。決して柔軟に喉が使える状態ではないわけです。声帯を乾燥させてはなりません。

Q.プロでも、お酒をひっかけながら歌っている人がいますが、よいのでしょうか。

A. その人の体質にもよりますし、演出や気分のノリもあるのかもしれません。 トレーナーの立場としては、勧められるものではありません。個人差がありますが、利尿作用があるので、喉の水分が失われて発声にはよくない状態になりやすいからです。 後でのリ…

Q.動きながら、声を出すだけのヴォイストレーニングでも、すべてに通用しますか。

A. それはきっかけの1つであって、実際には直立不動でも声はうまく出せなくてはなりません。 むしろいろんな動きを止めることによって、厳密に声がコントロールできるといえます。 目的をわけてみてください。

Q. いろんな体操しながら声を出すと出やすいのですか。

A. 動くということは、まっすぐ立って緊張状態にあることを取り除くので、効果があることもあります。歩きながら声を出すとか、動きながら声を出すということも、有効なようで、ワークショップなどで行われています。自分に合うようなものを選んでよいと思…

Q.声を出しやすくするためのいろんな運動や動きがあるように思いますが、どれがよいのでしょうか。

A. どれか1つの運動や動きが絶対的によいということではありません。どんな運動も総合的に効果が現れてくるものですから、例えばラジオ体操でもよいと思います。それを発声や、歌やせりふという場合に、何か足らないようであれば、補助する運動や動きを付け…

Q.声が出るようになると、歌がうまくなりますか。

A. これもどのレベルで答えるのか難しいのですが、楽器に例えてみると、音が出るようになるからといって、うまく演奏できるとは限りません。とはいえ、音が出にくい楽器に比べたら、音がよく出るような楽器は、演奏もうまくなりやすいと思います。一般的に…

Q.優秀なスポーツ選手は、身体も歌うのも有利に整えられていると思いますが、いかがでしょう。

A. 日常的にスポーツをしている人は、声が出やすいとは思います。全く日常的に身体を動かしていない人よりは、うまく出るでしょう。でも、喉を痛めている人も少なくありません。歌となると、それ以外の必要要素もありますので、人によります。

Q.スポーツの準備運動は発声にもよいですか。

A. スポーツの場合は、そうした準備運動が直接、成果に結びつきますが、声の場合は、必ずしもそれだけではありません。というより、それは、きっと、そのスポーツをうまく行えるために考えられた準備運動です。それでも何もしないよりは、何でもしてみた方…

Q.ストレッチや柔軟体操すれば、声がうまく出るということでしょうか。

A. 声がうまく出るということが何を意味するのかにもよります。もしストレッチや柔軟体操で声がうまく出るのであれば、それは身体が声がうまく出ることを妨げているような状態にあったということです。

Q.朝に声の仕事があるときは、どうすればよいのでしょうか。

A. こういう場合は、身体を起こすことです。シャワーを浴びたり、柔軟体操したりして、しっかりと意識だけでなく、身体全体を目覚めさせてください。 マッサージやヨーガなど、血流をよくするようなことが効果的です。 呼吸もできるだけ深く長く繰り返して…

Q.なぜ朝一番には、よい声が出ないのでしょうか。

A. 声は身体から出すものですから、身体が眠っている状態ではうまく出ません。スポーツと同じで、朝に起きて、すぐに好成績を残せる人はいないでしょう。寝不足のときも難しくはなります。

Q.弱々しい音しか出ませんが、どうすればパワフルになるでしょうか。

A. 日常の声でも歌声でもよいので、自分が最も出る高さで、できるだけしっかりと声を出していきましょう。長く伸ばしたりメリハリをつけてみたりするとよいでしょう。日常の声も鍛えてみるとよいかもしれません。その人の状態によってかなりトレーニング法…

Q.声域を広げるためには、どのようにすれば簡単でしょうか。

A. 最も簡単なのは、声量を抑えることです。それとともに、裏声に近いような発声をしてみるとよいでしょう。大きな声を出そうとすると、どうしても高い声が難しくなると思います。一般的な場合です。

Q.裏声のアプローチはどこから行えばよいのでしょうか。

A. 簡単なのは、ものまねだと思います。しゃべる声や鳴き声も裏声でもできるので、そういったことを感覚的に得ながら使っていくとよいのではないでしょうか。女性の高い声や子供の声を参考にしましょう。

Q.私の声は固くてツヤがなく、ガサついて、マイクに入りにくいのです。どのようにしたら治るでしょうか。

A. 声の固さは、その人の声の特徴というよりは、声がうまく使えていないために障害をきたしている状態です。声がうまく共鳴していないのです。歌うときになると、不自然な発声に切り替わって、喉をしめつけることもあります。 声を出しすぎたときは、小さく…

Q.本番のことを考えると、数日前から極度の緊張で歌えなくなってしまいます。何か対処法はありますか。

A. 緊張しないようにするのは難しいので、自分は極度の緊張をするのだということを受け入れて、緊張した後でも歌える状態にもっていくことを考えてみましょう。まず本番までの過ごし方が変わらないままでは、今後も同じ緊張を繰り返すことは目に見えていま…

Q.日本歌曲は歌詞も旋律もシンプルなはずなのにうまく歌えません。なぜ難しく感じるのでしょうか。

A. そう感じるのにはさまざまな理由があります。歌の旋律は音が多くある方が難しそうに見えるのですが、実はある程度音の動きがある方がフレーズを歌い進めるのには助けになるのです。逆に派手な動きのないシンプルな旋律は、より一層安定した息のコントロ…

Q.喉が開いてるとは、どんな状態なのでしょうか。

A. 舌がべったりと低い位置で平になっていて、顎が楽に開かれ、軟口蓋が上がっている状態です。

Q.軟口蓋というのは、口の中の大きさを調整するためにあるのでしょうか。

A. 生理的な役割は、ここでは述べませんが、軟口蓋を上げることによって、舌や喉頭が下がります。あくびの状態や飲み込むときの最初の状態です。これを声楽では、基本の状態として練習させます。いわゆる歌唱発声の理想状態です。逆に軟口蓋が下がると、喉…

Q.声楽の場合、どういうメカニズムで、喉頭を高い位置に持ってこないで出すのでしょうか。

A. 胸骨舌骨筋や胸骨甲状筋など喉頭を下げる外喉頭筋で、喉頭の位置を低く保つことができます。甲状軟骨を前に引き出し、輪状甲状筋が声帯を伸ばします。気管や食道も茎突咽頭筋も関係します。

Q.なぜ高い声を出すと、喉頭があがるのでしょうか。

A. 高い声を出すときには、輪状甲状筋(前筋)が働き働きます。甲状軟骨を引っ張って前傾させ声帯が伸びます。すると喉が緊張するわけです。この状態では、喉に力が入り、喉頭を締め付けてしまうわけです。

Q.高い声を出そうとすると喉頭が上がるのが普通ではないのでしょうか。

A. 高い声を出そうとすると喉頭が上がります。それがよくないというのは、声楽の考えであって、世界のさまざまな音楽では、喉頭をあげて高い声を出している場合も多いわけです。 ただし、ヴォイストレーニングで、発声を学んでいくときには、喉頭を下げるの…

Q.外喉頭筋は、発声のときも関係するのですか。

A. 外喉頭筋は、嚥下作用を助けます。喉頭を引き上げ、食べ物を食道に入れます。喉頭を低いところに保ったり、喉を開いた状態に保つのにも、この筋肉が、関係します。

Q.息をしているときの呼吸の量というのはどのぐらいなのでしょうか。

A. 安静にしているときには、わずか0、5リットルにしか過ぎませんが、腹式呼吸などをすると2リットル動きます。全肺気量としては6〜7リットルあり、肺活量が4~5リットルで、吐き切ると2リットルほどの残気量が残ります。

Q.肺の大きさは、左右とも同じなのでしょうか。

A. 肺は右の方が三葉、左はニ葉です。左には、心臓があるからです。重さは500グラムもありません。その底は横隔膜に接しています。

Q.肩甲骨の筋肉について教えてください。

A. 僧帽筋と広背筋が中心です。僧帽筋は首から肩の上部です。肩甲骨を寄せます。荷物を持つのにも使います。 広背筋は、背中の下半分の平たい筋肉です。腕を下げたり、背中を支え、肋骨の動きに関わります。この辺が柔軟ですと、呼吸が楽にできるので重要で…

Q.呼吸に関する筋力というのは、どうとらえたらよいのでしょうか。

A. 胸部に関して、大切なのは、肋骨です。肋骨についている内外肋間筋と、それに関わるさまざまな筋肉です。上後鋸筋は肋骨を上げ、下後鋸筋は肋骨を下げ、背中を広げます。 腰方形筋と肋骨挙筋で、背中を自由にして、横隔膜も動きやすくなります。もちろん…

Q.姿勢のための筋肉とはどういうものでしょうか。☆

A. まずは、椎骨に関係する姿勢筋群です。脊柱を伸ばして支えます。その上に、仙棘筋という脊柱起立筋が、肋骨について、椎骨全体に沿って真っ直ぐに伸びています。直立姿勢の維持のためです。これらが柔軟に動かなくては、肋骨が自由に動かず呼吸が妨げら…

Q.呼吸に関しては、呼吸と直接働く筋肉を考えたらよいのでしょうか。☆

A. 呼吸と直接働く筋肉とともに、呼吸をする器官を支えるような筋肉も関係すると思われます。どこまで学ぶかは、必要に応じて、ですが、例えば姿勢を保つような筋肉も、とても大切です。それは、よい呼吸の前提となるからです。