発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q259.どうすれば自分の歌がよくなってくるのですか。

A.実際によいものを本当に聴いてみて、その気持ちになってやったときに、どうして同じ人間なのにできないのかということが出てきます。そのときに、自分はまだ体が弱いとか、息が吐けないとか、音がきちんと捉えられないとか、そういうことがわかってくるのです。気づくということは、そういうことです。

 レッスンでも同じです。指導されたら伸びるというのではなく、まず、そのための感覚を磨いて、そこに体や声が宿ってくるのを待っていないといけません。それは、あるとき、体の条件やコントロールの条件が整ったときに、パッとできるのです。その人がそれに気づける基準があれば、そのことはものにできるのです。

 ウルトラCのような、すごいことは何もわからないままできるのではありません。絶対にできるはずだというところのイメージが宿ってきてから変わってきます。体がついていかないときはできないのですが、あるとき力が抜けてリラックスしたらできることがあるのです。それは二度と失敗することはありません。そうやって、ワンランクアップするのです。

 それはその人が、その感覚の中で待っていたからです。待っている感覚は、自分の中にもともとあるのかといったら磨かないとわかってこないのです。優れた人たちがみんな共通してもっていることを知り、待つしかありません。

マチュアの人は、やってはいけないことを一所懸命に守っていることが多いのです。だから、そこから抜け出せないのです。プロというのは、プロの中でみんな共通してもっている感覚というのがあるのです。それに対して、自分の感覚を近づけていくというふうに思えばよいと思います。