発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.肋骨の働きと横隔膜との関係について知りたい。☆

A.横隔膜は、吸うときに働く筋肉ですから、発声という吐くことのコントロールを補うべきです。肺にぴたっとついてお碗型になっている横隔膜は、吸うときに押し下げられ、吐くときに復元力で戻ります。

 

胸式呼吸として、肋骨の上部、前後、左右の動きでぶれさせず、肋骨下部の拡張と横隔膜で、早く瞬時に息を入れ、長く保って出す力をつけていきます。

 

 肋骨は12対で左右で24の骨です。その元は肋骨頭関節と肋横突関節の2点で脊椎と結ばれています。この二つの関節をまとめて肋椎関節と呼ぶこともあります。この2点の関節を結んだ線が動作の軸となるのです。

 

 この関節は、上側は軸が左右方向に、下に行くほど前後向きに、並び方が上から下にかけて少しずつずれています。この角度のずれによって肋骨は、上側は前に、下側は横にと、広がります。先が胸骨に達していないので、下の2対は左右に開きます。

 

 横隔膜は、この肋骨の下端を広げるのです。

 

 

 普段の呼吸であれば、横隔膜の動きだけで十分ですが、少し呼吸が深くなると横隔膜が平らになり、肋骨の下端が持ち上げられます。さらに呼吸が深くなれば肋骨中部が横に広がり、最終的に上部の肋骨が前に向かって持ち上がります。上半分は帆立て貝が開くように、下半分は鳥が羽ばたくように、いちばん下は、アリがアゴを広げるようになるのです。