A.たまにこのような方がいらっしゃいます。声が出にくいという症状を抱えてこちらにいらっしゃって、リラックスして息を吐いたり、ただ声を「アー」と出すことは、割とすぐできるようになるのですが、トレーナーが鍵盤をたたいて「ドレミファソ」を意識させたとたんに、体が固まり歌えなくなるという症状を抱えているようです。
ご自身のなかで、声を出すこと=体を固めないとできないことという結びつきが強固にでき上がっているのだと思いますが、裏を返せば、それだけ真剣にまじめに取り組んできたあかしでもあると思うのです。消して悲観せず、ゆっくり戻していきましょう。
まず自分の体に耳を傾けることが大事です。息を吐きながら力が入ってしまう部分、緩めたい部分を手のひらでさすってみてください。このような症状に陥っている方に限って、急ごうとするあまり、さすることが目的になってしまいがちなのですが、そうではなく、さすっている部分がほどけていく、緩んでいく、暖かくなる、伸びていくなど、体の変化に耳を傾けましょう。そして、その状態で息をながし、声につなげていきましょう。なんといっても急がないこと、ゆっくりやること、体の変化に敏感になることを心がけてください。(♯β)