発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.息は前に持ってくるが声を前に持ってこないとは、どういうことでしょうか。

A.声楽の発声の基礎において、発音と発声を混同してはいけないと口酸っぱく指導されます。

発音とは言葉のことですね。「あいうえお」など言葉は顔の前に持ってきてはいけないということです。発声とは、息のことです。息はしっかりと前に吐いて声帯を振動させなければならないため、前に持ってくる意識が必要です。

これを混同している初学者が多いため、このような注意を受けることだと思います。

発音である言葉は、声帯でつくられます。この原音を前に持ってこようとか、移動させようと思った時点で、声帯が前に押されて、せっかくつくられた音が邪魔されてしまい、美しい響きを損ねてしまいます。言葉はその場で「あ」「い」「う」と、ただ発音するだけにするのがコツです。

次に発声である息の流れですが、唇を丸めてろうそくの灯を消すかのようにフーと息を吐いてみましょう。このように息の方向性やスピードがなければなりません。結構エネルギーがいることです。この2つの要素を混同せずに練習しましょう。