A.ピラティスなどで着目されている骨盤底筋群ですが、これは恥骨と尾骨にわたって、つり橋のようにかかっている筋肉です。腹直筋に直接つながっており、この部分をしっかりと使うことは、呼吸の上でメリットがあります。歌のレッスンの中で、「おしりの穴をしめて」、とか「膣を引き上げて」とか、「おしっこを我慢するように」などという比喩表現をされるのは、すべて骨盤底筋へのアプローチを導く言葉です。
A.私は、「おなかの一番底を板のように意識して」、と思っています。おなかの一番底、つまり骨盤の底には内臓や消化器などが詰まっていて、それをしっかり保持する筋肉が必要です。呼吸をうまくコントロールするには、お腹や内臓をしっかりパッキングしておく筋肉が働かなければならず、それを引き上げておく筋肉が働かなければなりません。骨盤の底にある骨盤底筋群が働けば、呼吸を保持するその他の腹筋も働きやすくなります。
骨盤底筋群は内転筋などの足の筋肉にもつながっているため、内股をしめておくと感じやすいです。骨盤と足をつなげる内転筋にもつながっているということは上半身と下半身の懸け橋になり、姿勢の安定にもつなかります。
意識しづらい筋肉ではありますが、多くの歌手がこの筋肉の有用性を声高に唱えています。それを信じて私も鍛え、意識するようになりました。意識して生活していると、少しずつ変化が出てくると思いますので、ぜひトライしてみてください。