発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.日本人の発声指導をどう思いますか。

A.正直なところ、私は、日本人の声楽家の発声の指導法にへきえきしていました。バランスを重視して共鳴の焦点を絞り込むだけのもので、ドラマ性がなかったからです。音楽的感性が乏しいこともありましたが、この分野が未熟ゆえ、すごいものかおもしろいも…

Q.海外のトレーナーへの評価は、どうですか。

A.海外のトレーナーにとっては、日本人はお客さんですから、国際友好でほめてくれます。そういうことをトレーニングの根拠、権威づけにするようなことは愚かしいことです。お金を支払って学べば、どんな実力でも、異国の人として友好的にサポートしてくれ…

Q.先生と声との関係は。

A.私自身、10代で声がとても弱かったのです。トレーナーとしてもっとも多忙な頃になって、深くひびきのある声が安定してきました。初期条件(素質、形態、形状、遺伝的なもの)も一人ひとり違いがあります。私ののどや声帯は、結果からみると、恵まれて…

Q.先生には歌わないのですか。

A.結果として、声と耳さえできれば、すぐれた一流の歌唱ができるわけではないことも思い知りました。他人を厳しく判断し、伸ばす能力と自らがそれを実践する能力は別であると思います。ちょうど歌手とトレーナー、役者と演出家のような違いがあるのでしょ…

Q.音程がぶら下がるのですが。

A.ヴォイストレーニングなどで、声が上達していくと、曲を歌うときに、音程が下がってしまうことがあります。それまでは、音感は悪くなく、何の問題も感じていなかった人ほど、おちいりやすいワナです。 曲を歌うとき、私たちは他の楽器と違って、喉で調整…

Q.声を前にだすとは、どういうことですか。

A.ヴォイストレーニングでよく言われる「声を前にだす」ということは正しくもあり、ミスを起こしやすいです。これは結果的に前に出る声になるようトレーニングする必要があるからです。声が奥まっている人に「声を前にだせ」というアドヴァイスはとてもシン…

Q.喉が開かないと悩んでいます。

A.まず下顎を下げる訓練をしましょう。下顎がしっかりと下がるようになったら下げた状態で口からヘソの下を意識して息を吸うトレーニングをしましょう。 下顎が下がりきらない、または硬い人は喉が開きづらいです。 喉を開けるためには呼吸で喉仏を下げる必…

Q.トレーナーのレベルは上がりましたか。

A.トレーナーの人からの常識を疑うような質問に驚くこともあります。頭でっかちな人がトレーナーには多くなりました。一方で、自分のことを棚にあげて他人のあげ足をとり、そこにしか安寧できない人がいるようです。とはいえ、世間の関心がもたれることで…

Q.研究所のと「ブレスヴォイストレーニング」の今に至る歴史を知りたいです。

A.私たちの研究所が、洋楽を歌いたい人中心のヴォイトレから、今のように一般の人と特殊な人が中心になってきたのは、時代の変化でもあるのでしょう。私たちのトレーニングに、時代や国で変わらぬ基本中の基本といえるものがあったことを証明していると思…

Q.発声の本質的な改善については、どうしてきたのですか。

A.私は日本において、ポピュラーのトレーナーよりも、私なりに認める一流レベルの役者や声楽家の基礎レベルで、原理をつかんだところから発展させてきました。(日本の声楽でも声の基礎トレーニングにおいては欧米に並べられるだけのものはあるということ…

Q.声のトレーニングの標準化はできないのですか。

A.私は、発声のすべてを統一できるような定義ができ、協会や資格のようなものができることをどこかで望んでいましたが、今は、そうならないことをよかれと思っています。定義なくして共同の研究の発展もないし、人材の育成も難しいということは、嫌という…

Q.ヴォイストレーナーは、職として成り立つのですか

A.今の自分の声でさえ一般の人となんら変わりのないヴォイストレーナーの声で象徴されますが、一般化した分、そのレベルが低下しているのは否めません。私からみると、これが職業として成立するかを問う以前に、トレーナーという存在そのものの価値を一度…

Q.最近の質問の傾向はありますか。

A.最近は、一般の方がとても勉強になるよい質問になったのですが、あまりに科学や理論に頼ろうとしすぎに思います。知ること と、力がつくことは違うのですから、そこを踏まえて質問だけでわかろうとしないことです。(ふら

Q.拍と音節は同じことですか。

A.俳句にみられる五・七・五などの文字数で分けるパターンを音数律といいます。この文字数を拍(モーラ)といいます。拍とは、パン・パンと手を叩きながらことばを言うときに、いくつ打つかということです。それに対して、音節(シラビーム)は音の数です。…

Q.なぜ外国人は、「ニホンジン」や「ニッポンジン」でなく「ニポ(ン)ジン」と言うのでしょう。

A.拍の意識は、日本人は強いのですが、外国人は弱いようです。彼らは、日本と聞いても、ニ・ポンと二音節で言ってしまうわけです。特に「一」で一拍に数えるようなことは、あまりみられません。(♭ф)

Q.拍と音節、どちらがのりが出ますか。

A.拍よりも音節の方が、強弱リズムで、音楽的なのりが出てきやすいです。 たとえば、 Jin gle bellsというのは、原曲では三音節だから、音符三つで済みます。ところが、日本人は、もともとジ・ン・グ・ル・ベ・ルと六つの拍で数えるわけです。 …

Q.声の問題は、重視されていないのでしょうか。☆

A.今の時代、音響技術での補完がさらに容易になり、聴衆も視覚的効果をより求めるようになったので、問題そのものの位置づけや優先順が、以前より曖昧になってきました。そのため、アーティストも、トレーナーよりプロデューサーと相談せざるを得なくなり…

Q.ブレスヴォイストレーニング研究所のトレーニングの状況について知りたいのですが。

A.最近、ここでは、いろんなヴォイストレーニングが行なわれるようになり、そのためにいろんな混乱や誤解も起きています。以前は、私の本を読み、最初にここでヴォイストレーニングとめぐり合う人がほとんどでしたが、他のところを経てからいらっしゃる方…

Q.ヴォイストレーニングとは、一言で言うと。

A.私は、ヴォイストレーニングは、声で何かの目的を遂げるための補助的手段と考えています。ヴォイストレーニングが、さまざまな状況において行なわれているからには、ある程度、「ヴォイストレーニング」とは何か、どういう意味において、なにをどうする…

Q.声の改革のために、どうするのですか。

A.声についてのあらゆるごまかしや不鮮明なところを白日にさらし、バランスを崩してでも真の問題点を顕わにして、解決のための課題を鮮明にしていくことです。声以外に、アーティストのオリジナリティや表現とも絡むこともあるので、すぐにわからないとき…

Q.声を変えると作風も変わりませんか。☆

A.ときにプロのアーティストのイメージに、その声づくりがそぐわないときもありますし、アーティストと考え方が相反することもあります。しかし、作品としてのイメージと体(のどの器質)からの可能性は、限界をも知って行なうべきです。音響技術でカバー…

Q.日本人の歌手や役者に欠けているのは。☆

A.次のようなことは、そう簡単には身につきません。なかなか保持している人は少ないです。 1.力強さ、インパクト 2.コントロール力、再現力 (ノリ、リズム、テンポ感は、昔よりずいぶんよくなりました) 3.声のオリジナリティ (生での個性やクセは…

Q.歌唱と声づくりとの二つの違いは何ですか。

A.目的とするものが異なっていますから、場合によっては対立するものです。 私はプロの歌唱、ステージのアドバイスからこの仕事を始めたから、とてもよくわかるのです。当日、もしくは1週間くらいで本番を迎える歌手に、根本からの発声トレーニングを行な…

Q.歌唱指導とヴォイトレの違いとは。

A.歌唱指導では、よほどすぐれた歌い手以外は、全体のバランスをとり、演奏のラインからはみ出すことを防ぐことが優先されます。聴き手が下手だと感じる要素があれば、隠さなくてはなりません。きちんと構成し、聴かせどころを強調し、曲の輪郭をハッキリ…

Q.歌唱と声づくり(発声)でのトレーナーの判断と、反することがあるのですか。

A.自分へアドバイスする人、たとえば、トレーナーが言っていることで迷うとしたら、それはとても大切なポイントです。しかし、トレーナーの指導の必要のある問題は、大きな問題であるほどすぐに解決しようとすべきことでない(そもそもできない)ことを知…

Q.「丹田で支える」とは、どういうことですか。

A.武道の経験が少しでもある方は、あるいは経験はなくとも興味があって、本などで調べたことがある方は、この言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。丹田とは、本来さまざまな説があるようですが、一般的には、おへその少し下のお腹の内部(表面の腹…

Q.声を支えるとは、どういうことでしょうか。

A.薪割りなどは、現代の日本では、ほとんどの人が経験がないかもしれませんが、キャンプや、夏などの里帰りで、田舎の生活をときどきされたことがあれば、一度くらいは、体験されているかもしれません。力まかせに割っても、うまく割れなかったり、割れた薪…

Q.脱力のイメージを教えてください。

A.「もっと喉の力をぬいて。」わりと多くの生徒さんが、この注意をレッスン中に受け、一生懸命に喉の力を抜いていることでしょう。もちろん、それほど悪いことではないのですが、「力を抜く」ということは、いろいろな場面で使われます。たとえば、「もっと…