A. 大きな理由としては、耳を塞ぐことで聞こえ方のバランスが変わるからだと思います。私たちは自分の声を聞くとき、骨に響いた声を内耳で、外に出た声を外耳でそれぞれ聞き、両方が合わさったものを自分の声として聞いています。内耳・外耳の聞こえ方のバランスは均等ではないですし、そのバランスも人それぞれ違いがあります。
例えば、質問のように力んでいたり、または必要以上に大声で歌っている人にとっては、耳を塞いだ途端に程よいバランスに調整されて声の力みが緩みます。これは、内耳からの聞こえだけにフォーカスしたときに「自分の声が大きい(うるさい)」と感覚的に判断するからだと思います。
その他にも、声の輪郭が明瞭に聞こえる、安心感がある、といった体感も人によってはあるでしょう。つい力んでしまい、その力みから抜け出せないときは、あなたがすでに体験しているように、耳を塞ぐことで聞こえ方のバランスに一時的な変化を与えるのは有効な手段のひとつです。