A.こういう質問はあまり意味のない質問です。例えば、男性がマライアみたいな声を出したいと思っても出せないのは、その条件がないからです。というか、女性でもできるわけではありません。一生をかけてマライアになっても仕方がないと思っています。
なぜ自分にはそういうことが必要なのかということを考えなくてはいけません。何でもできた方がよいとはいっても、ある程度、器用に何でもできる代わりに、たった一つ、絶対的に強いものがない人はたくさんいるのです。すごく高い声が出ても、すごい大きな声が出ても、必ずしも歌に使えないのです。いろいろとできて、武器が大きくなるほど、それを使うことは難しいのです。
外国人のヴォーカリストが優れているのは、武器をもつことより、それをどうすれば最大限に相手に伝えられるかということを徹底して学んでいるからです。マライアもそうでしょう。あの声があるからよいのでなく、うまく使っているからよいのです。歌には声はあったほうがよい。でも、声があるほうが大変なのです。
声がないアイドルは、教えるのも簡単なのです。音程をはずさずに歌ったら、あとは音響さんがやってくれるからです。外国人のヴォーカリストなら、3回歌ってくださいというと、3回とも違うように歌います。そこから決めてくださいということでしょう。だから、自分で自分のやれることを知っていないと、本当に歌えないのです。