発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

★Q593.日本語で歌うのが苦手です。よい勉強法はありませんか。

 日本語は、歌としては扱いにくいことばです。口先でも適当に発音できてしまうので、浅く強い声も必要としない発声に慣れてしまいます。さらに今のように、音響加工が加わると通じてしまうので、本当は表現として成立していないのに、それさえ、わからなくなるのです。
 多くの人は、イやウの発声でうまく声が出ないといいます。ふだんのままの発声で歌おうとしているからです。それでは、充分な声域や声量がとれず、ことばも途切れ途切れになり、メロディにのりにくいのです。日本語を深い声で歌おうとすると、かなり意識的に努力することが必要になるでしょう。日本語そのものを日本語として歌いこなすノウハウは、演歌のなかに含まれています。そこでやわらかく浮かして、響きでまとめ、マイクを前提にした歌い方を取り入れてきたからです。
 ポピュラーでは、歌詞を工夫して(感嘆詞やカタカナのことば、英語を多用など)、リズムでこなし歌いやすくしていますが、あまり根本的な解決にはなっていないように思います。