発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2433.どんなに優れた俳優でも、欠点はあると思うのですが、良いところだけではなく、欠点を見つけることも大事なことですか。

A.まずは長所について考えてみましょう。
長所を伸ばしていくことは、一番大切なことです。長所を伸ばしていくためには、まず自分の長所を自分で認識し、その長所を伸ばすための努力をしていくことです。その長所とは例えば「いい声を持っている」「セリフ覚えがいい」「息が長く続く」「舞台度胸がある」「スタイルがいい」「踊れる」等々。いろいろあると思います。その長所をさらに特化させていくことが大切なのです。この部分こそが自分自身の最大の長所、<武器>となるのです。
そうした自分の<武器>を認識し、さらにその<武器>に対して自信を持つことが大切です。自分の長所に自信を持つことで、さらに長所は伸びていきます。あとで欠点についても説明しますが、この長所を伸ばすことで、欠点がなくなっていくこともあるのです。
 
 次に欠点について考えてみましょう。
だれしも欠点は気になるものです。この欠点をなくそうとして努力もします。もちろん努力の過程で、欠点を認識し、欠点を少なくしていくことは大切なことです。しかしこの欠点を見つめすぎてはいけません。欠点は欠点として、反省材料として捉えて、次のステップに進むための材料ではありますが、自分自身の自信をなくすためのものではありません。客観的に対処していき、あまり考えすぎず、長所を伸ばしていくことに集中していきましょう。自分を励まし、自分のよさを認め、自信を持ち続けていくことで、モチベーションもキープでき、あらゆることがうまくいきます。自分の長所を認識することはとても大切なことなのです。
 
 また他人の長所、欠点から学ぶことはたくさんあります。稽古や本番など、人の演技を見る機会はたくさんあると思います。その人のいいところは貪欲に盗んでいきます。また悪いところも反面教師として盗み、真似しないということを学んでいきます。
質問に戻ります。「どんなに優れた俳優でも、欠点はあると思うのですが、良いところだけではなく、欠点を見つけることも大事なことですか。」ということですが、結局、欠点を見つけることは大事なことなのですが、欠点を見つめすぎず、逆に長所を伸ばしていくことが欠点をなくしていくことになるのです。