発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2983.舞台上でセリフがない状態で長時間お芝居をしなくてはなりません。

A.セリフがあってもなくても同じことです。まずそう考えてください。しゃべっているか、しゃべっていないかの違いです。セリフがなくても、舞台に立っている以上、その役として立っていなければなりません。無言であっても、気持ちや体はお芝居しているはずです。セリフがあってもなくても、舞台上に立っている限りは、責任をもってその役に集中していくことが大切です。
もちろんメインの役であればセリフも多いかと思いますし、アンサンブルであればセリフも少なかったり、なかったりします。しかしそういうことに関係なく、役に集中していくことが大切です。それができれば、セリフをもらったときにも、あわてることなく舞台に立つことができるのです。
そのためには自分のことだけではなく、まわりの役者に意識を向けておくということが大事です。自分の中だけで役を完結させるのではなく、まわりの動きやセリフに敏感に反応していかなければなりません。
たとえば舞台中央で、メインの役者がお芝居をしているのであれば、その動きやセリフに反応していきます。また極端に反応しすぎるのもよくありません。程よく、リアルに反応していくことが大事です。
要はその作品にしっかりと入っていて、流れをつかみ、その流れに身を任せていれば、必ずよい反応ができるはずです。
こうしてアンサンブルがしっかりとお芝居をすることで、メインも引き立ちます。そして作品としての完成度も上がるのです。メインではなくても、作品に奉仕して、作品のためになることは、役者個人としてのレベルを上げていくことにもなります。